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残クレのアルファードは本当に損?「高い金利」を利益に変える会計的視点を福島区の税理士が解説

「残クレ(残価設定型クレジット)で車を買うなんて、金利が高いだけで損をする」。 世間では一般的にそう言われています。ネット上の記事やSNSを見ても、「現金一括が最強」「ローンは無駄」という意見があります。
もっとも、十分な資金力がないにもかかわらず、月々の支払いを抑えられるという理由だけで残クレを利用し、高級車を購入する行為が問題であることは言うまでもありません。

確かに、表面的な支払い総額だけを見れば、現金一括払いよりも金利分だけ多く支払うことになります。 しかし、私たちのような会計・税務のプロフェッショナルが電卓を叩くと、必ずしも「損」とは言い切れない、まったく別の景色が見えてくるのです。

今回は、大阪市福島区で開業する税理士・公認会計士の視点から、人気車種アルファードのような500万円クラスの車両購入を例に、表面的な損得勘定に惑わされない「経営者のための会計的思考」について解説します。

残クレは本当に「無駄払い」なのか?

まずは、よくある比較シミュレーションを見てみましょう。手元に500万円の資金がある会社(または個人事業主)が、500万円の車両を購入するケースです。

【シミュレーション条件】

  • 車両価格:500万円

  • ローン条件:金利4%、5年払い(残価設定100万円)

  • 手元資金:500万円

この条件で比較すると、支払い総額には明確な差が出ます。

  • 現金一括:金利負担ゼロ。総支払額は500万円 。

  • 残クレ:金利負担が発生。総支払額は約540万円 。

単純計算で、残クレの方が約40万円多く支払うことになります 。 これだけを見れば、「40万円も余分に払うなんてありえない」と感じるのが普通です。しかし、経営判断において重要なのは、支払う金額の多寡だけではありません。

視点その①:手元に残る現金の「運用益」

現金一括で購入すると、手元の500万円は即座になくなります。 一方、残クレを選べば、手元に資金を残したまま車を手に入れることができます。

もし、その温存した500万円を事業資金として活用したり、資産運用に回したりしたらどうなるでしょうか?

仮に手元資金を年利3%で運用できたとします。 シミュレーションの結果、5年間で得られる運用益の合計が、支払う金利コストを上回る(あるいは相殺する)ケースが出てきます

「金利4%を払ってでも、手元資金でそれ以上の利益を生み出せるなら、借りた方が得」 これが、ファイナンスにおける「機会費用(チャンスロス)」を考慮した考え方です。。

視点その②:金利は「経費」であり「節税」になる

もう一つ、経営者や個人事業主の方に見落としてほしくないのが「税金」への影響です。 日本の法人税率を実効税率約30%として計算してみましょう

残クレで支払うことになった「約40万円の金利」は、会計上「支払利息」という経費になります 。 経費が増えれば、その分だけ会社の利益が圧縮され、支払う税金も減ります。

  • 支払利息:40万円

  • 節税効果:40万円 × 30% = 12万円の税金削減

つまり、40万円を支払っていても、税金が12万円安くなるため、実質的なコスト負担は差引28万円まで下がります 。 これに前述の「運用益」を組み合わせれば、残クレの方がキャッシュフロー(手元のお金)において有利になる可能性すらあるのです。

まとめ:福島区の税理士が伝えたい「会計的思考」

このように、「残クレは損か?」という問いに対して、単に支払い総額を比べるだけでは正しい経営判断はできません。

  1. 資金繰りの視点:手元資金を温存し、事業投資で利益を生めないか?

  2. 税務の視点:経費計上による節税効果を含めた「実質コスト」はいくらか?

これら複数の要素をパズルのように組み合わせ、会社にとって最適な選択を行うことこそが、財務戦略の基本です。 もちろん、会社の状況によって正解は変わります。資金が潤沢で投資先がないなら一括が良いかもしれませんし、事業拡大局面なら残クレで手元資金を厚くするべきかもしれません。 重要なのは、目先の金利だけに踊らされず、全体像を俯瞰して意思決定を行うことです 。

会計の知識は、単に帳簿をつけるための事務スキルではありません。 複雑なビジネスの状況を整理し、論点ごとに分解して、会社を守るための「武器」なのです

これから事業を拡大していく経営者の皆様には、ぜひこうした「会計的思考」を持って、日々の意思決定に臨んでいただきたいと思います。

記事執筆者

岡田 健志

公認会計士・税理士

大阪国税局勤務、Big4監査法人勤務を経て2024年大阪市福島区で独立開業。JR福島駅徒歩1分の事務所を拠点に、会計・税務のプロフェッショナルとして企業の成長を支援しています 。 「数字に強い経営者になりたい」「資金繰りの相談がしたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

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