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なぜ利益が出ない中小企業が多いのか?その理由と解決策
「頑張っているんですが利益が出なくて困っているんです。」
中小企業の経営者から、こうした相談を受けることは少なくありません。忙しい会社は日々の業務に追われ、目の前の課題をこなすことで精一杯になりがちですが、利益が出ない理由を冷静に分析すると、いくつかの共通点が浮かび上がります。その中でも特に多いのが、「利益が出る仕組みを理解していない」 という点です。
売上と利益を混同することによる誤り
「利益が出ない理由は何だと思いますか?」
こう尋ねると、多くの経営者が「売上が足りないから」と答えます。確かに売上は利益を上げるための重要なファクターで正解ではあるんですが、利益と売上は必ずしも同じように連動するわけではありません。
たとえば、売上が増えてもコストがそれ以上に膨らめば、利益はむしろ減ります。逆に、売上が多少落ちても、無駄なコストを削減できれば利益を増やすことも可能です。売上だけを追いかけてしまうと、利益を最大化するための適切な経営判断ができなくなってしまいます。
利益が出る仕組みとは
利益を確保するためには、次の3つの要素のバランスを取ることが不可欠です。
商品やサービスを提供して得られる収入です。売上を増やすには、顧客ニーズを的確にとらえた商品・サービスの開発や、効果的なマーケティング戦略が必要です。
仕入れや製造、人件費など、商品やサービスを提供するためにかかる費用です。コスト管理が不十分だと、売上が増えても利益が圧迫されます。
販売促進や管理業務にかかる費用です。広告費や事務所の家賃、従業員の給与などが含まれます。経費を適正に管理することで利益率を向上させることができます。
多くの中小企業では、売上の確保に目が向きがちで、コストや経費の管理が後回しになっているケースが少なくありません。
利益が出ない中小企業の共通点
利益が思うように出ない企業には、次のような特徴が見られます。
仕入れ価格が高すぎる、無駄な支出が多い、在庫管理がずさんなど、コストを適切に抑えられていない。
競争相手に合わせて安売りしすぎていたり、コストに見合った価格設定ができていなかったりする。
必要のない広告費をかけていたり、固定費が過剰だったりする。
スキルや業務効率が低く、労働時間に対して成果が上がっていない。
目先の利益だけを追い、持続的な成長につながる戦略が立てられていない。
利益を確保するための具体策
では、どうすれば利益を確保できるのでしょうか?
・仕入れ先の選定を見直し、より良い条件を引き出す
・在庫管理を徹底し、過剰な仕入れや無駄な廃棄を減らす
・業務の無駄を省き、効率化を図る
・市場調査を行い、適正な価格を設定する
・単なる価格競争ではなく、付加価値を高めて利益率を確保する
・広告費の費用対効果を見直す
・必要のない固定費を削減する
・ITツールを活用し、業務の効率化を図る
・教育や研修を充実させ、スキルアップを図る
・評価制度を整え、モチベーションを高める
・単年度の利益だけでなく、3年後、5年後の事業計画を立てる
・業界の動向を分析し、事業の方向性を見直す
専門家の力を借りるのも有効な手段
利益を出す仕組みを理解し、実践するためには、経営者自身が財務や経営管理の知識を深めることが重要です。しかし、日々の業務に追われていると、それを学びながら実践するのは容易ではありません。
そこで、公認会計士などの専門家の力を借りるのも一つの方法です。財務やコスト管理の観点から自社の状況を客観的に分析し、具体的な改善策を提案することができます。
利益が出る会社をつくるために
利益が出ない原因は、単に売上が足りないことだけではありません。コストや経費の管理、価格設定、従業員の生産性、経営戦略など、さまざまな要素が関係しています。
まずは「利益が出る仕組み」を理解し、自社の課題を洗い出してみてください。その上で、必要に応じて専門家の力も活用しながら、着実に改善を進めていきましょう。
経営者自身が正しい知識を持ち、適切な判断を下すことが何よりも重要です。今こそ、自社の経営を見直し、利益を生み出す仕組みを構築していきましょう。
ご相談は、当事務所のホームページからお気軽にお問い合わせください。利益が出る会社づくりをサポートいたします。
岡田 健志
公認会計士・税理士
大阪国税局勤務、Big4監査法人勤務を経て2024年大阪市福島区で独立開業。