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税理士が解説する会計ソフトの選び方:スタンドアロン版とクラウド版

はじめに

会計ソフトは多種多様です。顧客としては、基本的に税理士事務所が使っているソフトに合わせるのが一般的ですが、もともと顧客自身が使用していたソフトがある場合、それを使い続けるケースもあります。

 

会計ソフトは「スタンドアロン版」と「クラウド版」に大別されます。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解した上で、自社に合ったものを選ぶことが重要です。

スタンドアロン版会計ソフトとは?

スタンドアロン版とは、従来からあるPCにインストールするタイプの会計ソフトです。買い切り版が多く、一度購入すれば追加の月額費用がかからないのが特徴です。

主なスタンドアロン版会計ソフト

弥生会計

PCA会計

勘定奉行

スタンドアロン版のメリット・デメリット

メリット

一度購入すれば、追加の月額費用が不要(バージョンアップは別途追加費用がかかる)

インターネット環境がなくても使用可能

自社でデータを完全に管理できる

デメリット

・PCが故障するとデータが消失するリスクがある

・複数人での同時作業が難しく、データ共有の手間がかかる

・インストールやバージョンアップの手間がかかる

・法令改正の都度アップデートが必要

クラウド版会計ソフトとは?

クラウド版会計ソフトは、インターネット経由で使用する会計ソフトです。ここ10年で一気に普及し、今から導入するなら基本的にクラウド版を選ぶのがベストでしょう。

主なクラウド版会計ソフト

freee会計

マネーフォワード クラウド会計

弥生会計 オンライン

TKCシステム

クラウド版のメリット・デメリット

メリット

・インターネット環境があればどこでもアクセス可能

・自動仕訳機能が充実しており、業務効率化が図れる

・ソフトのバージョンアップが自動で行われるため、常に最新の状態で使える

・データのバックアップが不要(クラウド上で管理されるため)

・税理士とデータをリアルタイムで共有できる

デメリット

・月額課金制のため、ランニングコストがかかる

・インターネット環境がないと使用できない

・クラウド事業者の障害やサービス停止のリスクがある

今から導入するならクラウド会計を活用するのがおすすめ

企業や個人事業主が記帳を行う際は、クラウド版の会計ソフトを使うのが理想的です。理由は以下のとおりです。

自動仕訳や銀行口座・クレジットカード連携により、手入力の手間が削減できる

税理士とのデータ共有がスムーズになり、リアルタイムでレビューしてもらえる

どこでもアクセス可能で、リモートワークにも対応しやすい

税理士の関わり方:顧客が記帳し税理士がレビューするのが理想

クラウド版会計ソフトを導入すると、税理士とは「記帳代行」ではなく、「レビュー」の形で関与するのが理想的です。

・顧客が日々の取引をクラウド会計ソフトで記帳

・税理士がそれを確認・修正し、決算・申告をスムーズに進めることができる

・顧客も数字に強くなり決算書が読めるようになる、そのためタイムリーな意思決定が可能となる

この流れが確立されると、業務の効率化が進み、正確な会計処理が可能になります。

どのクラウド会計ソフトを選べばいい?

基本的に、主要なクラウド会計ソフト(freee、マネーフォワード、弥生、TKC)であれば、どれを選んでも大きな問題はありません。

ただし、税理士事務所が特定のソフトを利用している場合、それに合わせると申告業務との連携がスムーズになります。

税理士事務所が利用している会計ソフトに合わせると、申告との連携がスムーズになる

記帳代行を依頼する場合は、税理士事務所が使っているソフトに統一するのが望ましい

記帳代行を依頼しない場合は、顧客が使いやすいソフトを選んでOK

 たとえば、弊事務所ではTKCを使用しています。そのため、記帳代行を希望するお客様には、TKCのシステムを利用してもらう形を取っています。一方で、お客様が自社で記帳し、レビューと税務申告だけを依頼する場合は、どのクラウド会計ソフトを使っていても対応できます。

まとめ

会計ソフトを選ぶ際は、スタンドアロン版とクラウド版の違いを理解し、業務スタイルに合ったものを選ぶことが重要です。

今から導入するなら、クラウド版会計ソフト一択

税理士とスムーズに連携するため、税理士事務所が推奨するソフトを使うのが理想

記帳代行を依頼する場合は、税理士事務所のソフトに統一するのが望ましい

クラウド版ならどこでもアクセスでき、リアルタイムでデータ共有が可能

クラウド会計ソフトを活用することで、業務の効率化を図り、税理士とのスムーズな連携を実現しましょう。

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記事執筆者

岡田 健志

公認会計士・税理士

大阪国税局勤務、Big4監査法人勤務を経て2024年大阪市福島区で独立開業。

 

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岡田けんし
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