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副業の確定申告とふるさと納税ワンストップ特例の注意点

副業の確定申告を準備するときは、ふるさと納税の手続も一緒に確認しましょう。「ワンストップ特例を申請したから、申告書には書かなくてよい」という思い込みが、控除漏れにつながります。申告前・提出済みのそれぞれで、確認する順番を整理します。

公開:2026年10月1日 / 執筆:公認会計士・税理士 岡田健志

この記事のポイント

同じ年分の確定申告をすると、申請済みのワンストップ特例は無効になります。控除を受けるには、その年のふるさと納税をすべて申告に含めます。寄附の証明書を集め、重複・漏れと住民税の欄まで確認しましょう。

この記事の内容
  1. 1.副業で確定申告すると、ワンストップ特例はどうなる?
  2. 2.副業が20万円以下なら、何もしなくてよい?
  3. 3.申告前に、1年分の寄附を一覧にする
  4. 4.入力後は、住民税の欄まで確認する
  5. 5.ふるさと納税を書き忘れて、提出してしまったら
  6. 6.控除されたかは、所得税と住民税を分けて見る
  7. よくあるご質問

1.副業で確定申告すると、ワンストップ特例はどうなる?

制度の仕組みや控除上限から確認したい方は、先にふるさと納税の基本記事をご覧ください。この記事では、副業がある方の申告手続に絞って解説します。

ワンストップ特例は、確定申告をする必要のない給与所得者等が、年間の寄附先を5団体以内にして、各寄附先へ申請することで利用できる制度です。同じ年分の確定申告を行う場合は、申請済みのワンストップ特例も無効になります。

副業の所得を申告する場合だけでなく、医療費控除などのために申告する場合も同じです。申告書では、ワンストップ特例を申請した分も含めて、その年のふるさと納税を寄附金控除の計算に入れます。

申請済みの寄附と、未申請の寄附を分けない

たとえば、その年にA市・B町・C村へ寄附し、A市とB町だけワンストップ特例を申請していた場合。確定申告ではC村だけを追加するのではなく、3団体分をまとめて確認します。

なお、5団体という条件は寄附した回数ではなく自治体数です。同じ自治体に複数回寄附しても1団体として数えます。

参考:国税庁「ふるさと納税(寄附金控除)」、大阪市「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の利用を検討されている寄附者の皆様へ

2.副業が20万円以下なら、何もしなくてよい?

一定の給与所得者に認められる20万円以下の申告不要制度は、所得税の制度です。たとえば、給与の年間収入が2,000万円以下で、1か所から源泉徴収の対象となる給与を受け取り、年末調整が済んでいる方は、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円以下なら、原則として所得税の確定申告は不要です。

この「20万円」は、業務委託などの場合、売上・報酬の収入金額ではなく、必要経費を差し引いた所得金額で確認します。副業がアルバイトなどの給与である場合や、勤務先が複数ある場合は判定方法が異なります。

所得税の申告が不要でも、住民税まで不要とは限りません

所得税の20万円以下の申告不要制度は、住民税にはありません。所得税の確定申告を省略できる場合でも、副業所得について住民税の申告が必要です。申告要否の個別条件は、お住まいの市区町村で確認してください。

住民税の申告をする場合もワンストップ特例を利用できなくなるため、寄附の内容を含めて申告します。

また、医療費控除やふるさと納税の控除のために所得税の確定申告をする場合、20万円以下の副業所得を省略できるわけではありません。給与・副業・寄附金控除を一つの申告の中で整理します。

詳しい申告の要否は、会社員の副業は確定申告が必要?で確認してください。勤務先への通知が気になる方は、副業と住民税・普通徴収の注意点もご覧ください。

参考:国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」・同Q&A、大阪市「市民税・府民税・森林環境税(全般)に関するQ&A」、大阪市「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の利用を検討されている寄附者の皆様へ

3.申告前に、1年分の寄附を一覧にする

まず、申告する年と寄附した年が一致しているか確認します。2026年中の寄附なら2026年分の申告に含め、通常は2027年に手続を進めます。

自治体の証明書を集める

寄附先から届いた寄附金受領証明書などをそろえます。寄附日・自治体名・寄附額・寄附者の氏名を確認しましょう。

ポータルサイトの証明書を使う

国税庁長官が指定した特定事業者の「寄附金控除に関する証明書」は、その事業者を通じた年間の寄附をまとめて確認できます。

複数のポータルサイトや自治体への直接寄附がある場合、一つの証明書だけですべてを網羅しているとは限りません。寄附先・日付・金額を一行ずつ並べると確認しやすくなります。

  • 申告する本人の寄附か、家族など別の人の寄附かを区別する。
  • 自治体の証明書とポータルサイトの証明書に同じ寄附が載っていないか確認する。
  • 証明書が見つからない場合は、寄附先や利用したサイトへ発行方法を確認する。

年末の寄附は、申込日だけで自己判断せず、証明書に記載された寄附年月日と金額を確認してください。

参考:国税庁「ふるさと納税に係る寄附金控除に関する証明書等について」

4.入力後は、住民税の欄まで確認する

国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、寄附金控除の入力を進めます。マイナポータル連携に対応する証明書は、データを取得して申告書へ反映する方法もあります。利用する発行者の対応と事前準備を確認しましょう。

連携や読込みを使っても、寄附した年・本人の氏名・金額の漏れや重複は確認します。手入力を追加したときは、同じ寄附を二重に計上していないか見直してください。

提出前の確認箇所

  1. その年のふるさと納税を、ワンストップ申請済みの分も含めて反映したか。
  2. 申告書第二表の「寄附金控除に関する事項」に寄附先・寄附金額が載っているか。
  3. 住民税に関する事項の「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」にも対象の寄附額が載っているか。

ふるさと納税として特例控除の対象になる寄附かも確認します。所得税側に金額を入れただけで確認を終えず、作成された申告書全体を見直しましょう。

基本の操作の流れは、自分で確定申告をする準備から提出までにまとめています。提出後は申告書の控えとe-Taxの受信通知を保存します。

参考:国税庁「ふるさと納税(寄附金控除)」、国税庁「ふるさと納税に係る寄附金控除に関する証明書等について」、国税庁「マイナポータルと連携した所得税確定申告手続」

5.ふるさと納税を書き忘れて、提出してしまったら

まず提出した申告書の控えを開き、寄附金控除と住民税の欄を確認します。書き忘れがある場合は、期限と税額への影響によって手続が分かれます。

確定申告期限内に気付いた

正しい内容で申告書等を作り直し、期限までに提出します。寄附だけの追加メモを送るのではなく、申告内容全体を確認します。

確定申告期限を過ぎている

納める税額が多すぎた、還付額が少なすぎた場合などは、更正の請求を検討します。「修正申告」は税額が少なすぎた場合などの手続です。

更正の請求の期間は、原則として法定申告期限から5年以内です。申告義務のない方が提出した還付申告については、その提出日から5年以内となります。対象年・提出日・申告義務の有無を整理して確認してください。

寄附金控除を追加しても最終的な所得税等の額が変わらず、更正の請求ができない場合は、お住まいの市区町村へ相談します。住民税だけの確認が必要になる場合もあるため、自己判断で同じ申告書を繰り返し送信しないようにしましょう。

ほかの所得の漏れや過去の申告も気になる場合は、未申告・過去の申告内容を確認するときの進め方をご覧ください。

参考:国税庁「ふるさと納税(寄附金控除)」、国税庁「申告が間違っていた場合」、国税庁「確定申告を間違えたとき」、国税庁「所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続」

6.控除されたかは、所得税と住民税を分けて見る

確定申告をした場合、ふるさと納税による税の軽減は所得税と翌年度の住民税に分かれます。寄附額がそのまま所得税の還付金として振り込まれる仕組みではありません。副業の税額などと合算した結果、申告時に納税が生じることもあります。

ワンストップ特例を適用した場合は、所得税からの還付はなく、その分を含めて翌年度の住民税から控除されます。どちらの手続を使ったかを先に確認してください。

控除には所得などに応じた限度があります。給与収入だけで出した概算や前年の寄附額を、そのまま今年の上限と決めつけないようにしましょう。副業の所得、各種控除なども含めて確認します。

  • 確定申告書の控えと、寄附の証明書・一覧を保存する。
  • 翌年度の住民税の通知で、寄附金税額控除の反映を確認する。
  • 記載箇所が分からない、想定と合わない場合は、資料をそろえて市区町村などへ確認する。

税理士へ申告を依頼するときも、「ワンストップ申請済みです」と伝えるだけでなく、その年の寄附の証明書をまとめて渡すと確認が進みます。

参考:国税庁「ふるさと納税(寄附金控除)」、大阪市「ふるさと寄附金のよくあるご質問」

よくあるご質問

ワンストップ特例を申請した分は、確定申告から除いてよいですか?

除きません。同じ年分の確定申告をする場合は、申請済みの寄附も含めて、その年のふるさと納税を寄附金控除の計算に入れます。

副業が20万円以下なら、ワンストップ特例を必ず使えますか?

金額だけでは決まりません。所得税の申告要否に加え、住民税の申告の有無なども確認します。医療費控除等で確定申告する場合も、ワンストップ特例の申請は無効になります。

ふるさと納税を申告したのに、所得税の納付が必要になることはありますか?

あります。副業の所得などから計算する税額と源泉徴収税額を精算するため、寄附金控除を反映しても納税となる場合があります。控除は所得税と翌年度の住民税に分かれるので、還付金の有無だけで判断しません。

申告に入れ忘れたら、もう控除を受けられませんか?

期限内なら正しい申告書等を再提出し、期限後は税額などに応じて更正の請求を検討します。所得税等の額が変わらず更正の請求ができない場合は、市区町村へ相談します。

収入と資料の状況から、ご相談ください

大阪市福島区の岡田健志公認会計士・税理士事務所では、個人事業・副業などの確定申告について、税理士本人が対応します。資料の整理状況や対象年を伺い、ご依頼の範囲と料金を事前にご案内します。初回相談は無料です。

根拠・参考資料

主な根拠:所得税法78条・120条・121条・122条、国税通則法23条、地方税法37条の2・314条の7、同法附則7条・7条の2・7条の3。手続の詳細は上記の国税庁・自治体資料を参照。2026年10月1日に確認した公表資料に基づく一般的な説明です。適用する制度・控除・期限は対象年や個別事情により異なります。

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