FURUSATO TAX GUIDE
ワンストップ申請を
忘れたら?
期限を過ぎたときは、申告状況から確認します。
「申請書を出し忘れた」「郵送が間に合わなかった」「医療費の申告だけ済ませてしまった」。ふるさと納税の手続漏れは、現在の申告状況によって対応が変わります。
ワンストップ特例の期限を過ぎたことだけで、寄附金控除を受ける方法がなくなるわけではありません。その年の申告書を既に提出したか、申告期限を過ぎているかを確認し、必要な手続を選びます。
1.まず、期限と受付状況を確認
ワンストップ特例の申請期限は、寄附をした翌年の1月10日です。2026年中の寄附については2027年1月10日となります。郵送は必着で案内されるため、当日の投函で間に合うとは考えず、寄附先の自治体が示す受付日・送付先を確認してください。
2026年の寄附と手続の時期
寄附の対象年
2026年1月1日〜12月31日
この年の寄附をまとめます。
ワンストップ申請
2027年1月10日まで自治体・申請方法ごとの案内も確認。
↓
下の「申告状況別フロー」へ
オンライン対応の自治体では、期限内ならオンライン申請を選べる場合があります。ただし、寄附時に「ワンストップ希望」を選択したことと、申請の完了は別です。受付メールや自治体の申請状況画面で、不備・未完了がないか確認します。
申請済みか不明な場合、まず寄附先の自治体へ確認します。転居などで申請内容が変わった場合も、変更の手続が必要になるため、そのままにしないでください。期限を過ぎていたら、遅れて同じ申請書を送るだけで完了とせず、確定申告等の手続へ進みます。
参考:長岡京市「ワンストップ特例申請」、大阪市「ワンストップ特例制度」。2026年の寄附分に関する公表内容を確認しています。
2.3つの状況から、必要な手続へ
確認するのは、寄附をした年分の所得税の申告書です。2026年の寄附なら2026年分を確認します。前の年の申告書や、ワンストップ特例申請書とは区別してください。
ワンストップ申請を忘れた・寄附を申告し忘れた
申告期限内寄附を含めた正しい申告書を再提出します。Bの手続を見る ↓C提出済み
申告期限後税額への影響に応じ、更正の請求等を確認します。Cの手続を見る ↓
寄附を加えても所得税等の額が変わらない場合は、住民税の手続を市区町村へ確認します。詳しくはCをご覧ください。
手続の根拠:国税庁 No.2030「還付申告」、国税庁「申告が間違っていた場合」、国税庁 No.2026「確定申告を間違えたとき」。
3.A:まだ確定申告をしていない場合
寄附を行った年分について、収入・控除とともに寄附金控除を申告します。給与所得者であれば、その年の源泉徴収票と寄附の証明書などを用意します。副業や医療費控除がある場合も、同じ年の申告書に必要な内容をまとめます。
もともと申告義務がある方
その年分の申告期限までに提出します。期限を過ぎている場合は、速やかに期限後申告を検討してください。
「還付申告は5年間」という説明を、すべての人の申告期限と混同しないでください。
申告義務がなく、還付を受ける方
還付申告は原則として、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。
例:2026年分は、原則2027年1月1日〜2031年12月31日。期限内申告が要件の特例には注意が必要です。
所得税の還付は、源泉徴収などで納めた所得税がある場合に生じます。源泉徴収税額がゼロなら、申告すれば必ず所得税が戻るということではありません。所得税の還付がなくても住民税の控除が関係する場合は、お住まいの市区町村へ必要な手続を確認してください。
国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、対象年を選んで作成します。作成しただけで終えず、送信結果または提出済みの控えを保存しましょう。
参考:国税庁 No.2030「還付申告」、国税庁 No.2024「確定申告を忘れたとき」、国税庁 確定申告書等作成コーナー。
4.申告済みで、寄附を入れ忘れた場合
B:申告期限内なら、正しい申告書を再提出
期限内に漏れに気付いた場合は、寄附を含めた正しい申告書を作成し、申告期限までに改めて提出します。寄附の部分だけを別の申告書として提出するのではなく、給与や他の控除など、必要な申告内容も含めて確認します。
最初の還付金が既に支払われているなど、提出後の状況によっては精算が必要になる場合があります。再提出した申告書と送信結果を残してください。
参考:国税庁「申告が間違っていた場合」。
C:申告期限後なら、税額がどう変わるかを確認
所得税等を納め過ぎ・還付が少な過ぎ
→ 更正の請求を確認寄附金控除を反映して税額等を計算し直し、要件を満たす場合は、更正の請求書と根拠資料を提出します。
寄附を加えても所得税等の額は変わらない
→ 市区町村へ相談この場合、寄附金控除の追加による更正の請求はできません。住民税の控除について、お住まいの市区町村へ確認します。
更正の請求の期限は、原則として法定申告期限から5年以内です。ただし、申告義務がない方が提出した還付申告書については、原則としてその提出日から5年以内となります。まだ提出していない場合の「還付申告」と、提出済みの申告を直す「更正の請求」では、起算日が異なります。
「修正申告」は、税額を少なく申告していた場合などの手続です。ふるさと納税の控除漏れで税金が減る場合を、一律に修正申告と呼ぶわけではありません。他の誤りもある場合は、申告書全体を計算し直して必要な手続を確認します。
大阪国税局は、ワンストップ特例申請後に医療費控除の確定申告を行い、ふるさと納税を入れ忘れたケースの更正の請求書作成例を公表しています。実際の手続では、ご自身の対象年分を選んでください。
根拠:国税通則法第23条。国税庁 No.2026「確定申告を間違えたとき」、国税庁 No.2030「還付申告」、国税庁 No.1155「ふるさと納税」、大阪国税局「ふるさと納税に係る更正の請求書の作成例」。
5.申請済みの寄附も含めて整理する
確定申告をすると、その年のワンストップ特例申請は無効になります。申請を忘れた自治体の分だけでなく、既に申請した分も含め、その年のふるさと納税をすべて集めます。
架空例:3自治体へ寄附した場合
単位:万円
A市
1万円ワンストップ申請済み
B町
2万円ワンストップ申請済み
C村
1万円申請を忘れた
1 + 2 + 1 = 4万円
4万円は寄附額の合計です。所得控除額や還付額ではありません。控除には所得等に応じた限度があります。
- 寄附の証明:自治体の寄附金受領証明書、または特定事業者が発行する寄附金控除に関する証明書。併用するときは、同じ寄附を重複して計上しないよう照合します。
- その年の所得・控除:源泉徴収票、副業の集計、医療費・保険料など、申告に必要な資料。
- 既に申告した方:申告書の控え、送信結果、還付・納付の状況。更正の請求では、元の申告内容と訂正後を比較します。
- 住民税の確認:第二表の「住民税に関する事項」にも、対象となる寄附額が反映されているか確認します。
寄附先・金額の記録と、控除を受けるための申告手続は別です。証明書を集めただけ、申告データを保存しただけで終わらず、提出まで確認しましょう。
よくあるご質問
ワンストップ申請を忘れたら、控除は受けられませんか?
期限後でも、確定申告などで控除を受けられる場合があります。未申告か提出済みか、申告期限の前後かを確認し、該当する手続を選びます。
1自治体だけ申請を忘れました。その分だけ申告すればよいですか?
確定申告をすると、その年のワンストップ特例申請は無効になります。申請済みの寄附も含め、その年のふるさと納税をすべて申告に含めます。
医療費控除の確定申告をして、ふるさと納税を入れ忘れました。
申告期限内なら、正しい申告書を再提出します。期限後は更正の請求の可否を確認します。寄附を加えても所得税等の額が変わらない場合は、市区町村へ住民税の手続を相談してください。
5年前までなら、誰でも還付申告で直せますか?
一律ではありません。未提出の還付申告と、提出済みの申告に対する更正の請求は異なる手続です。申告義務の有無、対象年、元の提出日や法定申告期限を確認します。
手続を選ぶところから相談する
寄附した年、申告書の提出状況、寄附の証明書、還付・納付の状況をお知らせください。大阪市福島区の岡田健志公認会計士・税理士事務所では、必要な手続と作業範囲を確認して料金を事前にご案内します。過去の申告の訂正は、内容を確認したうえでお見積りします。
あわせて確認したい記事
2026年10月8日に国税庁・自治体の公表資料を確認。主な根拠:所得税法第78条・第120条・第122条、国税通則法第18条・第23条、地方税法第37条の2・第314条の7・附則第7条等。一般的な手続の説明であり、各年の制度・個別の申告内容・自治体の案内をご確認ください。