TAX RETURN GUIDE

未申告・過去の確定申告を見直すとき|期限後申告・修正申告・更正の請求

過去の申告が気になったときは、年ごとに「提出したか」「何が気になるか」を整理することから始めます。未提出、税額の不足、税額の納め過ぎでは、確認する手続が異なります。

公開:2026年10月1日 / 執筆:公認会計士・税理士 岡田健志

この記事のポイント

申告していない場合は申告義務の有無を確認し、必要なら期限後申告を検討します。提出済みの申告は、税額が少なかった場合の修正申告、多かった場合などの更正の請求を区別します。対象年・提出済みの資料・税務署からの連絡状況を先に揃えましょう。

この記事の内容
  1. 1.まず年ごとに、提出と納付の状況を確認する
  2. 2.未申告・少なく申告・多く申告を分ける
  3. 3.申告していない年がある場合
  4. 4.提出済みの申告が違っていた場合
  5. 5.相談時は、事実と疑問を分けて伝える
  6. よくあるご質問

1.まず年ごとに、提出と納付の状況を確認する

記憶だけで「申告した」「税理士に任せていた」と判断せず、申告書の控えと提出の記録を確認します。会計ソフトに申告書が残っていることと、税務署に提出されていることは別です。

  • 対象年と、その年の収入の種類
  • 確定申告書・決算書・収支内訳書の控え
  • e-Taxの受信通知など、提出を確認できる記録
  • 納付・還付の記録、税務署から届いた通知
  • 気になる点と、その根拠となる資料

提出済みでも納税が済んでいないことがあります。まず「申告内容の訂正」と「未納の相談」を分けて整理してください。

2.未申告・少なく申告・多く申告を分ける

確認した状況主に検討する手続
申告義務があるのに、期限までに提出していない期限後申告
提出済みだが、納める税額が少な過ぎた・還付が多過ぎた修正申告
提出済みだが、納める税額が多過ぎた・還付が少な過ぎた更正の請求ができるか確認

この表は法定申告期限後の一般的な整理です。期限前に誤りを見つけた場合は、原則として正しい申告書を期限までに提出します。還付処理がすでに進んでいる場合などは、手続を税務署に確認します。

収入があって申告していない場合でも、直ちに全員が無申告に当たるわけではありません。まず、その年の収入・控除・源泉徴収などから申告義務を確認します。

3.申告していない年がある場合

申告が必要だったと分かった場合は、資料を整理して、できるだけ早く期限後申告を進めます。複数年ある場合は、年ごとの売上・経費・源泉徴収・控除を分け、年をまたいで金額を混ぜないようにします。

期限後申告では、本税のほかに無申告加算税や延滞税が生じることがあります。税務署の事前通知の前か後か、これまでの申告状況などで扱いが変わるため、「自主的なら必ず追加負担なし」とは考えないでください。

手元の資料が不足している場合は、通帳・取引先明細・会計データの取得可能な期間を確認します。資料が完全に揃うまで相談を先延ばしにせず、どの年の何が不足しているかを伝えましょう。

参考:国税庁「確定申告を忘れたとき」

4.提出済みの申告が違っていた場合

税額が不足していたとき

修正申告により訂正します。一般に、調査の事前通知前に自主的に修正するかどうかは加算税の取扱いに関係します。延滞税や、当初が期限後申告だった場合の扱いも含めて確認が必要です。

納め過ぎていたとき

更正の請求ができる場合があります。原則として法定申告期限から5年以内ですが、税額や純損失の金額に異動がない場合など、請求できないこともあります。請求すれば自動的に返金される手続ではなく、税務署の確認を受けます。

まだ還付申告をしていなかったとき

申告義務がない方の還付申告は、原則としてその年の翌年1月1日から5年間提出できます。すでに提出した還付申告の訂正は別の確認が必要で、更正の請求の期間が原則として提出日から5年となるケースもあります。期限内提出が要件の特例にも注意してください。

「5年」という言葉だけで判断せず、どの手続の、いつから数える期間かを確認することが大切です。

5.相談時は、事実と疑問を分けて伝える

「間違っているかもしれない」という段階で構いません。例えば「請求書の合計と申告書の売上が違う」「源泉徴収税額が反映されていないように見える」と、資料に基づく疑問を整理します。

  1. 対象年と提出状況:いつの申告について、何を確認したいか。
  2. 元の申告資料:申告書・決算書・帳簿と、提出の記録。
  3. 気になった根拠:請求書・入金明細・控除証明書など。
  4. 税務署とのやり取り:通知や連絡がある場合は日時・内容・回答期限。

以前の申告を別の税理士に依頼していた場合も、まず控えと計算の説明を確認します。資料を見ないまま誤りと決めつけず、どこに差があるかを検証したうえで手続を選びます。

税務署からの連絡がある方は、顧問税理士がいないときの税務調査の相談と準備も参考にしてください。

よくあるご質問

何年も申告していません。直近の年だけ提出すればよいですか。

一律には判断できません。未提出の各年について申告義務と資料の状況を確認します。直近の年だけ提出して過去も解決したと考えず、未提出の年を一覧にして相談してください。

税理士に任せていた申告も、見直しを相談できますか。

相談できます。申告書・決算書の控え、提出記録、疑問の根拠となる資料を用意してください。誤りの有無と必要な手続を、資料に基づいて確認します。

税金を多く払っていたら、必ず返してもらえますか。

更正の請求等の要件・期限と、実際の計算を確認する必要があります。税額が変わらない場合や手続の要件を満たさない場合もあるため、還付を一律には約束できません。

収入と資料の状況から、ご相談ください

大阪市福島区の岡田健志公認会計士・税理士事務所では、個人事業・副業などの確定申告について、税理士本人が対応します。資料の整理状況や対象年を伺い、ご依頼の範囲と料金を事前にご案内します。初回相談は無料です。

根拠・参考資料

主な根拠:所得税法第120条・第122条、国税通則法第18条・第19条・第23条・第60条・第65条・第66条。2026年10月1日に確認した公表資料に基づく一般的な説明です。適用する制度・控除・期限は対象年や個別事情により異なります。

税務・確定申告の記事一覧へ →