税務調査ガイド

顧問税理士がいないまま税務調査の連絡が来たら?相談のタイミングと準備

公開日:
岡田健志(公認会計士・税理士)

顧問税理士がいなくても、税務調査への対応だけを税理士に相談することはできます。自分で申告していた方や、以前の税理士との契約が終了している方も、まずは連絡を受けた内容と現在の状況を整理しましょう。

資料をすべてそろえてから相談する必要はありません。 調査日や回答期限が決まっている場合は、その日付を先に伝えることが大切です。税理士が対応できるかどうかは、日程、対象となる税目・期間、資料の状況、依頼する業務によって変わります。

1.最初の電話では、調査の内容と日程をメモする

税務署から電話が来ても、過去の取引をその場ですべて思い出せるとは限りません。まずは次の内容を記録します。

  • 連絡を受けた日、税務署名、担当者名、連絡先
  • 税務調査なのか、申告内容の確認などの行政指導なのか
  • 対象となる税目と期間
  • 調査を予定している日時・場所、用意するよう求められた帳簿や資料
  • 回答・折り返しの期限と、すでに説明した内容や約束した事項

国税庁は、調査と行政指導を区別し、手続を行う際にどちらに当たるかを伝えると説明しています。実地調査の事前通知は、原則として電話などの口頭で行われます。書面が届くまで待つ必要はありません。国税庁「税務手続に関するFAQ(一般納税者向け)」問2・問12

連絡を受けた時点で「顧問税理士はおらず、税理士への依頼を検討している」と伝え、以後の連絡方法を確認しておきます。取引内容を尋ねられ、記憶だけでは答えられない場合は、確認が必要な点と回答予定を明確にします。

調査の基本的な流れは、税務調査とは?事前通知・調査の流れ・準備で説明しています。

2.税理士には「いま分かっていること」を先に伝える

相談を始めるために、整った資料一式や詳しい経緯書を作る必要はありません。電話のメモに加え、次の状況を分かる範囲で伝えてください。

  • 法人・個人事業の別、事業内容、日々の経理を担当している人
  • 自分で申告したのか、以前の税理士や別の担当者が申告したのか
  • 使用している会計ソフトと、申告書・帳簿・証憑の保存状況
  • 税務署へすでに提出した資料や、説明・回答した内容
  • 気になっている処理、申告できていない期間、資料が見つからない箇所

例えば「来月に法人税と消費税の調査予定。現在は顧問税理士なし。申告書はあるが、前任者が管理していた領収書の一部が見つからない」という情報でも、最初の相談の出発点になります。

分からない点を、推測で埋める必要はありません。 「未確認」「資料が手元にない」と区別しておくと、何を先に調べるべきかを決めやすくなります。税務署への説明に訂正が必要だと気づいた場合も、説明した内容と訂正の根拠を税理士に共有します。

3.資料は「ある・取り寄せる・見つからない」に分ける

最初は通知された税目・期間を基準に、資料の所在を確認します。相談段階では、次のように一覧にしておくと状況を共有しやすくなります。

  • 申告関係:提出した申告書、決算書、勘定科目内訳明細書、電子申告の受信通知など
  • 会計データ:総勘定元帳、仕訳帳、試算表、会計ソフトの保存データ
  • 取引の根拠:請求書、領収書、契約書、預金明細、給与・外注費の資料など
  • これまでの連絡記録:税務署とのやり取り、提出済み資料の控え、過去の調査資料

それぞれに「手元にある」「前の税理士や担当者へ確認する」「見つからない」と記載します。紙と電子データが混在していても、まず所在が分かれば、取り寄せや照合の順番を決められます。

資料が不足している場合は、取引先からの再発行や預金明細との照合など、確認できる方法を検討します。帳簿を訂正する必要があるときは、元データと訂正理由・根拠を残し、税理士と進め方を確認しましょう。

何年分を準備するか迷う場合は、税務調査の対象期間と3年・5年・7年の違いもご覧ください。

4.依頼する業務と料金を、着手前に決める

「税務調査をお願いしたい」という依頼でも、必要な支援は一律ではありません。見積りでは、次の範囲を確認します。

  • 事前相談・準備:申告書や帳簿の確認、論点整理、説明資料の準備
  • 税務署との連絡・調査立会い:連絡窓口、当日の説明・回答の役割分担
  • 調査後の対応:追加資料の提出、指摘事項の検討、税務署との協議
  • 申告等の手続:必要になった場合の修正申告、期限後申告など

立会いだけの料金に、過年度の帳簿整理や修正申告まで含まれているとは限りません。対象期間、立会日数、追加対応の扱い、別途料金になる業務を確認しておくと、依頼後の行き違いを防げます。

正式に税務代理を依頼する場合は、税理士が委任された範囲を確認し、税務代理権限証書を提出します(税理士法30条)。国税庁「H2-1 税務代理の権限の明示」

税理士へ依頼した後も、実際の取引や事業の経緯について、経営者・担当者の説明が必要になることがあります。「誰が何を確認し、誰が回答するか」も合わせて決めます。

5.日程が迫っているときの注意点

調査日の変更を希望する場合は、早めに税務署へ具体的な事情を伝えます。国税通則法74条の9第2項では、合理的な理由がある場合、調査の日時・場所の変更について協議するとされています。入院や、業務上やむを得ない事情などが例示されています。国税庁「国税通則法第7章の2(国税の調査)関係通達」5-6

税理士を探していることだけで、希望どおり延期されると決まるわけではありません。変更が決まるまでは現在の予定を前提に準備し、相談先には調査日と回答期限を最初に伝えてください。

すでに一人で対応を始めていますが、途中から相談できますか。

途中からでも相談は可能です。ただし、税務署へ何を説明・提出したか、どの段階まで進んでいるかによって、検討すべき内容は変わります。すでに伝えた内容を含め、経緯が分かるメモを用意してください。対応の可否と範囲は、状況を確認してご案内します。

今後も顧問契約を結ばないと依頼できませんか。

当事務所では、顧問契約のない方からの税務調査に関するスポットのご相談も受け付けています。調査対応の依頼と、その後の継続的な税務顧問は、必要な支援を確認したうえで別に検討できます。

6.税務調査の連絡を受けた段階から、ご相談ください

岡田健志公認会計士・税理士事務所では、大阪市福島区を拠点に、国税OBの公認会計士・税理士が税務調査のご相談に対応します。初回相談では現在の状況を伺い、対応できる業務・日程と料金の考え方をご案内します。資料の確認や立会いなど、具体的な業務の範囲と料金は着手前に決めます。

お問い合わせ時は、調査予定日、対象となる税目・期間、顧問税理士の有無、現在の対応状況を分かる範囲でお知らせください。申告書等の資料は、共有方法をご案内した後にお送りいただけます。

顧問税理士がいない税務調査について相談する

税務調査対応の内容・料金を見る

税務・確定申告の記事一覧へ

※本記事は、2026年9月29日時点の国税庁資料を確認して作成しています。具体的な対応は、通知内容、申告・資料の状況、調査の進行段階を踏まえて検討します。

お気軽にお問合せください

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

岡田けんし
公認会計士・税理士事務所

住所

〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島5丁目13-18 福島ビル422号室

アクセス

福島駅から徒歩1分

受付時間

10:00~18:00

定休日

土曜・日曜・祝日