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会社員の副業は確定申告が必要?給与・業務委託・住民税の確認ポイント

副業の確定申告は、受け取った金額だけでは判断できません。最初に「給与か、それ以外の収入か」を分け、勤務先の数や年末調整、ほかの所得も含めて確認します。

公開:2026年10月1日 / 執筆:公認会計士・税理士 岡田健志

この記事のポイント

一定の給与所得者に認められる20万円以下の申告不要制度は、すべての副業に共通する非課税枠ではありません。所得税の申告をしない場合でも住民税の申告が必要になることがあり、還付申告をする場合の扱いも異なります。

この記事の内容
  1. 1.副業が給与か、報酬・売上かを確認する
  2. 2.20万円の基準は、何を合計するのか
  3. 3.売上と所得を混同しない
  4. 4.所得税が申告不要でも、住民税は別に確認する
  5. 5.還付申告をするなら、副業の所得も含める
  6. 6.相談前に揃えておきたい資料
  7. よくあるご質問

1.副業が給与か、報酬・売上かを確認する

アルバイトなどの給与

勤務先ごとの源泉徴収票を集めます。主な勤務先で年末調整をしたか、副業先の給与はいくらかを確認します。

業務委託などの報酬・売上

請求書、支払明細、入金記録、必要経費を整理します。給与以外の所得として、所得区分と所得金額を確認します。

「副業」という言葉自体は所得税の所得区分ではありません。報酬という名前でも実態によって判断が必要です。契約書と働き方、支払明細をあわせて確認しましょう。

2.20万円の基準は、何を合計するのか

以下は、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合の主な確認点です。給与収入が年間2,000万円を超える場合など、別の申告義務に該当する方は、この基準だけでは判断できません。

収入の状況主な確認点
給与が1か所+給与以外の副業給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。
給与が2か所以上年末調整されなかった給与の収入金額と、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超えるか確認します。

2か所以上の給与には、給与収入の合計から一定の所得控除を差し引いた金額が150万円以下で、給与・退職以外の所得が20万円以下の場合など、申告不要となる例外もあります。表だけで最終判断せず、源泉徴収票を揃えて確認してください。

根拠:所得税法第120条・第121条。条件・例外の詳細は国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」をご確認ください。

3.売上と所得を混同しない

業務委託などの副業では、売上・報酬の収入金額と、必要経費を差し引いた所得金額を分けて整理します。次は、その違いを説明するための架空例です。

架空例(単位:万円)

年間の報酬収入36 − 業務上必要と認められる経費12 = 所得24

この例の判定に用いる所得は24万円です。入金時に差し引かれた源泉所得税は、必要経費として差し引くものではありません。

必要経費は、仕事に必要だったことを資料で説明できる支出から確認します。私生活の費用を含めたり、基準以下にするために金額を合わせたりすることはできません。

副業が複数ある場合は、一つの取引先だけで判断しません。対象となる所得を合計し、所得区分に応じた取扱いも確認します。

4.所得税が申告不要でも、住民税は別に確認する

所得税の20万円以下の申告不要制度と同じ扱いが、そのまま住民税にも適用されるわけではありません。大阪市は、給与以外の所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要となる場合でも、市民税・府民税の申告が必要になることを案内しています。

一方、所得税の確定申告を提出した場合は、通常、その内容が住民税にも連携されるため、同じ所得について住民税の申告を別に提出する必要はありません。所得の内容や居住する自治体の案内を確認してください。

参考:大阪市「市民税・府民税・森林環境税に関するQ&A」、大阪市「市民税・府民税の申告について」

住民税の納め方や勤務先への通知が気になる方は、副業は住民税で会社にバレる?普通徴収を選べる場合・選べない場合もご覧ください。

5.還付申告をするなら、副業の所得も含める

医療費控除などを受けるために所得税の確定申告をする場合、上記の申告不要制度に当たる20万円以下の副業所得も含めて申告します。「給与だけ申告し、副業部分は省く」という扱いではありません。

副業の報酬から源泉徴収されている場合も、天引きだけで年間の申告・納税が完結したとは限りません。最終的な税額と源泉徴収税額の精算により、追加納付または還付になることがあります。

参考:国税庁「確定申告を要しない場合の意義」

6.相談前に揃えておきたい資料

  • すべての勤務先の源泉徴収票
  • 副業の契約書・請求書・報酬明細・売上集計
  • 銀行や決済サービスの入金記録
  • 経費の領収書と、仕事との関係が分かる記録
  • 医療費や寄附など、追加する控除の資料
  • 過去に申告した場合は、その申告書の控え

「勤務先が何か所あるか」「年末調整を受けたか」「副業の仕事の内容」「ほかに申告したい所得・控除があるか」を先に整理すると、申告の要否を確認しやすくなります。

よくあるご質問

副業の売上が20万円以下なら、何もしなくてよいですか。

一律には判断できません。給与か給与以外か、対象となる所得の合計、ほかの申告義務を確認します。所得税が申告不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。

アルバイト代も、経費を引いて20万円と比べますか。

給与が2か所以上の場合の基準では、年末調整されなかった給与は収入金額を使います。業務委託の所得計算と同じように、任意の経費を差し引いて判断するものではありません。

医療費控除のために申告するとき、副業分も必要ですか。

はい。所得税の申告不要制度に該当する20万円以下の副業所得であっても、確定申告を行う場合には含めます。必要な資料を揃えて、給与・副業・控除をあわせて確認してください。

収入と資料の状況から、ご相談ください

大阪市福島区の岡田健志公認会計士・税理士事務所では、個人事業・副業などの確定申告について、税理士本人が対応します。資料の整理状況や対象年を伺い、ご依頼の範囲と料金を事前にご案内します。初回相談は無料です。

根拠・参考資料

主な根拠:所得税法第37条・第120条・第121条・第122条。住民税については本文掲載の大阪市の案内。2026年10月1日に確認した公表資料に基づく一般的な説明です。適用する制度・控除・期限は対象年や個別事情により異なります。

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