資料依頼メールをAIで作るときは、確定した不足資料の一覧を先に用意し、文面の下書きと実際の送信を分けます。 AIに不足資料そのものや提出期限を推測させないことが出発点です。
以下の一覧と依頼文は、架空の社内業務の例です。実際の顧客・取引先へのメールではなく、この記事から送信されることもありません。担当者が原本と照合して送信する手順を説明します。
1.不足一覧に、対象と確認時点を残す
資料が見当たらない場合でも、未提出とは限りません。別の担当者が受け取っている、共有先が違う、修正版が届いている可能性があります。最後に受領状況を確認した時点を残します。
| 依頼前にそろえる項目 | 記入すること |
|---|---|
| 資料名と対象 | 対象月、部署、必要な明細や様式 |
| 受領状況 | 未受領、内容の確認中、差替え待ちなど |
| 確認時点 | いつ、どの保存先や受付記録を確認したか |
| 依頼する相手 | 所属、担当する役割、連絡先の確認方法 |
| 期限と提出先 | 社内で決めた期限、承認した共有先 |
| 照会する理由 | 何を確認するための資料か |
不足一覧が暫定の場合は、そのことを明示します。AIが一覧を読みやすく整理しても、受領状況が最新になったことにはなりません。
2.AIへ渡す情報を、必要な範囲に絞る
下書きに必要なのは、資料の名称、対象、依頼する内容、期限、提出先などです。個人情報や取引明細をすべて入力する必要はありません。会社の承認した利用環境と、入力してよい情報の範囲を確認します。
IPAは文書作成・確認をAIの活用例に挙げています。会社で使う場合の入力区分は、経理で生成AIを使う前に決める社内ルールをご覧ください。
AIへの指示では、一覧にない資料・期限・連絡先を追加しない、状況が分からない項目は確認待ちにする、送信は行わず下書きだけを作る、といった条件を決めます。
3.架空の不足一覧から、依頼文を作る
例えば、架空のA営業所に「2026年9月の売上明細」の受領状況を確認する場面を考えます。期限と提出先は、担当者が事前に決めたものを使います。
| 一覧にある情報 | 下書きでの扱い |
|---|---|
| 対象資料:2026年9月の売上明細 | 対象月と資料名をそのまま記載する |
| 状況:指定の保存先では未確認 | 未提出と断定せず、受領状況の確認として書く |
| 期限:担当者が指定した日 | 指定された日を使い、勝手に早めない |
| 提出先:会社で決めた共有先 | 承認した共有先を使い、別のURLを作らない |
依頼文の骨子は、「対象資料を確認したい」「現在の確認状況」「期限と提出先」「提出済みの場合の連絡方法」です。例えば「2026年9月の売上明細について、指定の保存先で受領を確認できていません。提出済みの場合は、保存先をご連絡ください」といった文章を作り、残りの確定情報を添えます。
強い催促の表現が必要か、先方にどのような事情があるかは担当者が判断します。AIが作った文章の丁寧さだけで、内容が正しいと判断しないようにします。
4.送信直前に、一覧と宛先を照合する
下書きの作成後に資料が届くこともあります。送信前に受領状況を確認し、依頼が重複していないかを点検します。
- 対象月・資料名・依頼する内容が不足一覧と一致するか。
- すでに受け取った資料や、確認済みの項目が混じっていないか。
- To・Cc、氏名、部署、連絡先が適切か。
- 期限・提出先・共有リンクが、承認した内容か。
- 添付が必要か、必要な場合はファイルと版が正しいか。
- 別の相手の情報や、不要な取引情報が含まれていないか。
別の相手の依頼文を流用する場合は、前の宛先や資料名が残っていないかも確認します。原本を見ないまま、AIに「これで合っているか」だけを尋ねて完了としないようにします。
5.送信後の記録と、受領の更新までつなげる
誰へ、どの資料を、いつ依頼したかを一覧へ戻し、受領したら状態を更新します。メールを作る時間が短くなっても、催促が重複したり、別の表を更新する手間が増えたりする場合は、流れを見直します。
一人経理のAI導入では作業と確認の分担、業務棚卸しでは受領から保存までの整理を紹介しています。試行では未受領、提出済み、差替え待ち、対象外などの条件を確認します。
当事務所の料金・標準範囲、業務フロー・確認票・手順書の見本を参考に、資料依頼のどの工程から支援を受けるかをご相談ください。
よくあるご質問
AIに未提出の資料を判断させてよいですか?
まず受付記録や保存先を確認し、受領状況を整理します。AIは一覧の整形や確認候補の整理に使い、最新の受領状況を確認したこととは区別します。
メールを自動送信する必要がありますか?
最初は下書きだけを作り、宛先・期限・内容・添付を人が確認して送る方法で試せます。自動送信は別の工程とし、今回の範囲に含めません。
顧客の明細をすべて入力する必要がありますか?
下書きに必要な情報に絞ります。入力してよい情報と、会社が承認した利用環境・契約条件を確認してから使います。
丁寧な文章になれば、そのまま使えますか?
文章の自然さと、依頼内容の正確さは別です。受領状況、対象、宛先、期限、提出先、添付を元の記録と照合してから使います。