建設業の経理・総務でAIを試すなら、日報や工事別の資料を「担当者が原本へ戻って確認できる一覧」にする工程から検討できます。 現場の判断や施工の安全性をAIに委ねることと、事務作業の整理は分けて考えます。
この記事は、日報や請求関連の資料を社内で整理する架空の業務例です。当事務所の導入実績を示すものではありません。現場の設備制御、施工計画の承認、安全判断は扱わず、経理・総務の資料準備と確認に範囲を絞ります。
1.工事番号・対象日・原本の場所をそろえる
同じ工事でも、略称や担当者ごとの呼び方が違うと、資料をまとめる際に照会が増えます。まず工事番号と正式名称を確認し、AIが名称の似た別工事を勝手に一つにしないようにします。
| 整理する項目 | 原本で確認すること |
|---|---|
| 工事番号・工事名 | 社内の工事一覧と一致するか、略称の対応が確定しているか |
| 対象日・対象期間 | 日報の日付、資料の対象月、締めの範囲が合うか |
| 資料の種類 | 日報、納品書、請求書、社内確認票を区別できるか |
| 原本の所在 | ファイル名、保存先、該当する頁へ戻れるか |
| 確認する人 | 現場担当、経理、承認者のどこへ照会するか |
資料の種類によって必要な項目は変わります。工事番号がない資料は、名称から確定するのではなく、対応する候補と確認先を残します。
2.日報の整理と、経理上の確定を区別する
日報の記述を、工事別・日付別・作業の種類別に整理することは、AIを試す候補になります。ただし、整理した記述が正しい事実か、どの勘定科目や工事へ計上するか、支払ってよいかは別の確認です。
| AIに任せる候補 | 人が確認すること |
|---|---|
| 日報の項目を共通の列へ整理する | 原本との一致、対象日、未記載項目 |
| 同じ工事の資料候補を並べる | 工事番号、対象範囲、似た名称の別工事 |
| 不足・重複の候補を出す | 未提出なのか、別の場所にあるのか、実際に重複か |
| 確認待ちの一覧を作る | 誰が何を確認し、どこへ戻すか |
日報にない作業や数量を補ったり、工事への帰属を推測で確定したりしない指示にします。不明な項目を残せるかも試行の対象です。
3.架空の工事別一覧で、照会の流れを試す
例えば工事Aの当月資料を集めるとき、受領した資料を一覧にし、工事番号不明、対象月相違、同一資料の候補を区別します。対象件数や合計は、使う原本と同じ範囲で照合します。
| 確認待ちの例 | 一覧に残す内容 | 照会先の例 |
|---|---|---|
| 工事番号の記載がない | 資料名、記載された工事名、未確定の理由 | 現場の担当者 |
| 対象月が分からない | 原本の日付、受領日、確認したい期間 | 資料の作成者 |
| 同じ資料が二つある | 両方の保存先、同一と考えた項目 | 経理担当者 |
一覧から原本を開き、照会の結果を戻して、誰が完了としたかを残します。資料をきれいに並べるだけでなく、確認待ちを解消できる流れにすることが目的です。
4.現場と経理の両方が使えるかを確認する
試作品ができたら、現場から資料を出す人と、経理で確認する人が、それぞれ操作と確認を行います。経理側の集計が速くなっても、現場側の入力項目が増えすぎる場合は、業務全体の負担を見直します。
国土交通省のICT活用の指針では、バックオフィスの書類等のやり取りの合理化も取り上げられています。本記事のAIによる資料一覧は、同指針の手順を転載したものではなく、当事務所の説明例です。
通常の資料に加え、工事名の表記違い、番号なし、対象外の資料も試します。AI導入の試行・受入確認で、期待する動作と結果の残し方をご覧いただけます。
5.最初は一つの締め作業を対象にする
工事管理全体を一度に置き換える前に、業務の棚卸しで資料の受領から確認・保存までを整理します。すでに使っている工事管理・会計ソフトの機能で足りる工程も確認します。
図面、取引情報、現場写真などを使う場合は、共有先、利用環境、閲覧範囲を先に確認します。この記事から原資料を送る必要はありません。
当事務所は、経理・総務の一つの業務について、整理・試行・確認手順・担当者への引継ぎを支援します。料金・標準範囲と成果物の見本を確認のうえ、現在の資料の流れからご相談ください。
よくあるご質問
現場の日報の様式が違っても相談できますか?
様式と必要項目を確認し、共通の列へ整理する範囲から検討できます。読み取りが難しい資料や未記載項目は、推測で埋めず確認待ちにします。
工事別の原価をAIが自動で確定しますか?
本記事は資料の整理と確認用一覧を扱っています。工事への帰属、計上範囲、会計処理の判断や承認は別に確認します。
施工や安全管理のAIも依頼できますか?
本記事で案内するのは経理・総務の事務作業です。現場の安全判断、設備制御、専門的な施工判断は対象としていません。
今の工事管理ソフトを変える必要がありますか?
必ずしも必要ありません。既存機能と資料の受け渡しを確認し、現在の運用で改善できる工程から検討します。