2026年分|会社員の確定申告
年末調整で終わる?
会社員の確定申告が必要な場合
年末調整を受けても、確定申告をする場合があります。まず「申告義務があるか」と「申告して控除を受けるか」を分けて確認しましょう。
会社員の方は、年末調整によって所得税の精算が終わることが一般的です。一方で、副業・複数の勤務先などにより申告が必要になる場合や、医療費控除・住宅ローン控除の初年度などのために申告する場合があります。この記事では、2026年分の所得税及び復興特別所得税について、判断と準備の順番を整理します。
1.最初に、3つの道筋に分ける
年末調整で完結
給与が1か所で年末調整済みで、別に申告を要する所得や申告したい控除がない場合など。通常は所得税の確定申告をしません。
確定申告が必要
給与の年間収入金額が2,000万円を超える、副業などの所得が一定額を超える、複数の勤務先から給与を受けた場合など。条件を確認します。
申告して控除を受ける
申告義務はなくても、医療費控除、住宅ローン控除の初年度、寄附金控除などを受けるために申告する場合です。
「年末調整を受けたか」だけで結論を出さず、給与以外の所得、勤務先の数、適用したい控除を順に確認します。複数に当てはまるときは、申告する内容をまとめて整理します。
国税庁のNo.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」とNo.2030「還付申告」に基づく概要です。個別の申告要否をこの図だけで確定するものではありません。
2.年末調整後でも、確定申告が必要になる場合
国税庁は、給与所得者について次のような申告が必要な場合を挙げています。各条件には例外や所得の範囲に関する取扱いがあるため、該当しそうな項目の詳細を確認してください。
| 確認すること | 代表的な場合 | 次の確認 |
|---|---|---|
| 給与の年間収入金額 | 2,000万円を超える | 源泉徴収票の「支払金額」などで年間の給与収入を確認します。 |
| 給与以外の所得 | 給与が1か所で全額が源泉徴収の対象となり、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える | 副業は売上ではなく、所得金額と所得区分を確認します。 |
| 勤務先が2か所以上 | 年末調整されなかった給与の収入金額と、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える | 各社の源泉徴収票をそろえ、国税庁No.1900の例外も確認します。 |
「副業20万円以下なら何もしなくてよい」とは限りません。20万円の基準は、一定の給与所得者が所得税の確定申告を要しないかを判定する規定です。医療費控除などのために確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も含めます。所得税の申告が不要でも、住民税の申告が必要な場合があります。
根拠:国税庁 No.1900、同Q&A「確定申告を要しない場合の意義」。大阪市の住民税の案内は市民税・府民税Q&Aを参照。住民税の手続はお住まいの自治体でも確認してください。
3.申告して控除を受ける場合
年末調整で所得税の精算が終わっていても、次の控除などを受けるために確定申告する場合があります。控除を受けられることと、所得税が必ず還付されることは別です。源泉徴収済みの所得税などと、申告で計算した年税額を比較して還付額が決まります。
| 申告したい内容 | 確認すること |
|---|---|
| 医療費控除 | 年末調整では受けられません。医療費通知、領収書、保険金などの補填額を整理します。明細書の準備を見る。 |
| 住宅ローン控除の初年度 | 最初に控除を受ける年分は確定申告が必要です。契約・登記・年末残高などを確認します。初年度の必要書類を見る。 |
| ふるさと納税 | ワンストップ特例の要件を満たす場合は確定申告をせずに控除を受ける方法もあります。確定申告する年は、申請済み分も含めて寄附金を申告します。手続の選び方を見る。 |
| 年の途中で退職 | 年末調整を受けず、源泉徴収税額が納め過ぎとなっている場合は、還付申告を検討します。退職前の給与の源泉徴収票を用意します。 |
住宅ローン控除とふるさと納税を両方使う方へ。住宅ローン控除の初年度などで確定申告をすると、その年のワンストップ特例申請は無効になります。寄附を申告から漏らさないようにしてください。両方の控除の関係を見る →
根拠:国税庁 No.2030「還付申告」、No.1155「ふるさと納税」。住宅ローン控除の2年目以降は、要件を満たす給与所得者なら年末調整で受けられます。
4.申告すると決めたら、資料をこの順にそろえる
- 2026年分の給与所得の源泉徴収票:勤務先が複数なら各勤務先のもの。給与の支払金額、源泉徴収税額、年末調整済みの控除を確認します。
- 給与以外の所得に関する資料:副業の入金記録と必要経費など。申告する場合は、20万円以下の所得も漏らさず確認します。
- 今回追加する控除の資料:医療費、寄附、住宅ローン控除など、該当する項目の証明書・明細を集めます。
- 提出と保存の準備:国税庁の対象年分の作成コーナーで入力し、送信後の受付結果と申告書控えを保存します。
2026年分の年末調整には基礎控除などの改正があります。前年の控除額や申告画面をそのまま当てはめず、対象年分の源泉徴収票と国税庁の案内を確認してください。2026年分の確定申告画面は、公開後に実際の表示を確認して本記事を更新します。
年末調整の改正:国税庁「2026年分年末調整のしかた」。給与所得の入力:国税庁の2025年分作成コーナー案内。後者は2026年分の画面例ではありません。
よくあるご質問
副業の所得が20万円以下なら、確定申告は一切不要ですか?
給与が1か所で年末調整済みなど、所得税の申告を要しない条件があります。ただし確定申告をする場合は20万円以下の所得も含めます。所得税の申告が不要でも、住民税の申告が必要な場合があります。
医療費控除は年末調整で受けられますか?
医療費控除は年末調整では受けられません。要件を満たし、控除を受ける場合は確定申告をします。申告しても所得税の還付が必ず生じるわけではありません。
住宅ローン控除は会社員なら年末調整だけでよいですか?
最初に控除を受ける年分は確定申告が必要です。給与所得者は2年目以降、要件を満たせば年末調整で控除を受けられます。
ワンストップ特例を申請した後に確定申告をしたらどうなりますか?
確定申告をすると、その年のふるさと納税のワンストップ特例申請は無効になります。申請済みの分も含めて、その年の寄附を確定申告に記載します。
自分で進める・迷う点だけ相談する・申告を依頼する
まずは、申告が必要な理由と、用意できている資料を整理してください。ご自身で申告を進める方は関連記事と無料チェックリストを利用できます。申告要否や控除の適用で迷う部分は、資料を確認して相談できます。
申告全体のご依頼も承ります。所得税及び復興特別所得税の基本料金は白色申告5万円(税込5.5万円)、青色申告10万円(税込11万円)です。お一人・1年分で、準備された帳簿・集計を前提とします。資料整理や記帳修正などが必要な場合は、資料と作業量を確認して個別にお見積りします。着手前に範囲と総額をご案内し、追加作業が生じる場合も内容と金額について事前に同意をいただいてから着手します。
根拠・確認した資料
- 国税庁 No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」
- 国税庁「確定申告を要しない場合の意義」
- 国税庁 No.2030「還付申告」
- 国税庁 No.1155「ふるさと納税」
- 国税庁「2026年分年末調整のしかた」
- 大阪市「市民税・府民税Q&A」
2026年10月9日に確認した公表資料に基づく一般的な説明です。主な根拠は所得税法第120条・第121条・第122条。申告義務、控除の適用、還付額は、所得・支払・年末調整・他の控除の状況を含めて個別に確認します。