住宅ローン控除 / 第1弾・資料準備編
住宅ローン控除の初年度の確定申告
必要書類のチェックリストと、申告を進める順番。
公開:2026年10月9日 / 執筆:公認会計士・税理士 岡田健志
住宅ローン控除の最初の年分は、会社員の方も確定申告が必要です。書類を集める前に「入居した年」「新築・中古等の住宅区分」「金融機関の残高の提供方式」を確認しましょう。
このページでは資料準備から提出後の確認までを整理します。登記簿・契約書の数字をスマホのどこに入力するかは、第2弾の図解で確認できます。
1. 入居した年分から、初年度の申告を考える
2026年中に入居した場合は、原則として2026年分の申告を2027年に行います。契約年・借入年だけで選びません。
新築、中古、買取再販等を区別し、認定住宅・省エネ性能・床面積などを資料で確認します。
紙などの証明書方式か、金融機関から税務署へ情報を提供する調書方式かを確認します。
初年度は確定申告を行います。給与所得者は、2年目以後の年分は年末調整で適用を受けることができます。
取得等から6か月以内の入居、年末までの居住、床面積・所得・返済期間など、控除の適用要件も確認します。チェックが全部付いても、控除を受けられると自動判定されるわけではありません。
参考:国税庁 新築住宅の要件・提出書類、中古住宅の要件・提出書類、調書方式。
2. 資料は「契約」「登記」「残高」「住宅性能」でそろえる
購入時の書類一式
- 売主・不動産会社・施工会社
- 売買契約書・請負契約書
- 法務局等
- 登記事項証明書
- 金融機関・e-Tax等
- 年末残高等証明書・年末残高情報
住宅や取引に応じた追加資料
- 売主・施工会社・証明機関等
- 認定・省エネ・耐震の資料
- 自治体等
- 住宅取得の補助金等の通知
- ご自身・共有者
- 頭金・ローン・売却特例の資料
「入力するために用意する資料」と「添付する書類」を区別
源泉徴収票は入力に使いますが、申告書への添付・提示は原則不要です。登記事項証明書は、不動産番号の記載や証明書の写しで代替できる場合があります。
調書方式では年末残高情報を取得して入力することができ、一定の契約書の写しの添付も省略できます。ただし、注文住宅の土地売買契約書など、省略できないものがあります。添付を省略できても、取得金額や面積を確認する資料は手元に用意して保管します。
2026年の入居は、性能の証明方法にも注意
認定住宅・ZEH水準・省エネ基準等で証明書類が異なります。2026年以後の省エネ基準適合住宅では、一定の検査済証の写しを使える場合もあります。検査済証なら何でもよいわけではなく、建築確認日・交付日・取得日等の条件を確認します。中古住宅の耐震関係も、建築年だけでなく所定の証明・時期の確認が必要です。
3. 準備・提出のチェックリスト
共通項目は「未確認/確認済み」、条件付きの資料は「該当なし」も選べます。状況はこの画面でのみ保持し、再読み込みで初期状態に戻ります。選択した状況は印刷にも表示されます。
共通の準備
引渡し日・取得日と、実際に住み始めた日を区別します。入居した年分の所得と住宅資料をそろえます。
会社から取得。源泉徴収票は申告書作成に使いますが、申告書への添付・提示は原則不要です。給与以外の所得も確認します。
売主・不動産会社・施工会社に確認。取得金額、住宅と土地の内訳、契約内容を確認できるページをそろえます。
法務局等で取得。床面積、所有者・共有持分、不動産番号を確認。登記事項証明書の提出は、不動産番号の記載や証明書の写しで代替できる場合があります。
借入先ごとに確認。証明書方式と調書方式を区別し、申告対象年の12月31日の残高をそろえます。
マイナンバーカード、対応スマホ、必要な暗証番号、本人名義の還付先口座等を手元で確認。このページに番号や暗証番号は入力しません。
該当する場合の追加資料
土地の取得に係る住宅ローンも控除対象にする場合。マンションの敷地権や土地先行取得は、必要書類を個別に確認します。
住宅区分に応じた認定通知書、住宅用家屋証明書、住宅省エネルギー性能証明書、建設住宅性能評価書等。組合せと証明・取得時期を入居年別に確認します。
1981年12月31日以前に建築された住宅等は、耐震基準適合証明書など、取得時期・調査時期を含めた確認が必要です。
自治体等から受けた住宅取得の補助金等。契約書の住宅価格から既に控除されていないかも確認します。
当該特例を適用する場合の金額と使途が分かる資料。住宅ローン控除の計算に関係するため、該当する方は個別に確認します。
登記上の持分、各借入契約、頭金等の負担を確認。共有持分と連帯債務の負担割合は同じとは限りません。
家全体と居住用部分の面積を確認。持分割合と居住用割合を区別し、事業の必要経費との整合も確認します。
入居年の前2年・後3年を含む併用制限を確認。該当する方は買い替えの記事も参照します。
送信・提出後の確認
年分・入居日・住宅区分・持分・取得対価・残高を照合。作成コーナーで作られた付表も確認します。
入力終了だけで提出は完了しません。送信後の受付結果、申告書・計算明細書等の控えを保存します。
案内に沿って、別途提出が必要な資料を確認。電子送信、PDF添付、郵送等の方法と送付先を確認します。
還付の進捗・入金を確認。納付があれば納付まで実施。給与所得者は翌年の年末調整で使う控除書類の受取方法も確認します。
4. 申告は、資料の確認から提出後の確認まで
- 年分・要件・資料を確認する。入居年と申告年を分け、住宅の区分と借入れの情報をそろえます。
- 本人確認とデータ連携を準備する。調書方式の情報取得は金融機関への適用申請等の手続が必要です。連携できない場合は、公式案内に沿って返済計画表等で残高を確認します。
- 給与等の所得と控除を入力する。住宅ローン控除だけでなく、年分全体の所得・控除を整理します。作成コーナーでは計算明細書や必要な付表も作成されます。
- 資料と入力・計算結果を照合し、送信する。入力の終了と申告書の提出は別です。申告書控えと受付結果を確認します。
- 必要な添付書類、還付・納付、翌年の書類を確認する。画面の添付書類案内に沿い、別途提出が必要なものを提出します。
参考:国税庁 調書方式、東京国税局・2025年分の住宅ローン控除入力要領(PDF)。
5. 還付申告の時期と、寄附金の申告も確認
確定申告義務のない方が納め過ぎた所得税の還付を受ける還付申告は、原則として翌年1月1日から5年間提出できます。たとえば2026年分は2027年1月1日から2031年12月31日までです。副業等による申告義務がある場合や期限内申告を要する特例は別に確認します。源泉徴収等で納めた所得税がなければ、所得税の還付はありません。
住宅ローン控除のために確定申告すると、ふるさと納税のワンストップ特例は無効になります。ワンストップ申請を済ませた分も含め、当年の寄附金を申告に含めます。
参考:国税庁 還付申告。
よくあるご質問
会社員でも、初年度は年末調整だけではできませんか?
住宅ローン控除を受ける最初の年分は確定申告が必要です。給与所得者は2年目以後の年分に年末調整で適用を受けることができます。
年末残高等証明書が届かない場合はどうしますか?
借入先が調書方式に対応しているかを金融機関に確認します。対応している場合は適用申請等の事前準備と、e-Tax等に提供される年末残高情報を確認します。証明書方式で届かない場合は金融機関へ確認します。
チェックリストの書類は全部添付しますか?
このリストは入力・判断に使う資料も含む準備用です。添付書類の一覧とは区別し、申告画面の案内と国税庁の住宅区分・方式別の提出書類を確認してください。
2026年入居の方も、スマホ図解と同じ画面ですか?
詳細編の画面は国税庁が公表している2025年分の画面例です。2026年分の申告では対象年分の作成コーナーと最新の案内を確認し、画面の年を2025年に合わせて入力しないでください。
ご自身で進める・迷う点だけ相談する・申告を依頼する
このホームページを見ながら、ご自身で確定申告を進められるようにしたい。そのために、資料をそろえる順番と入力の確認点を掲載しています。
共有持分と返済負担が合わない場合、事業用部分がある場合、売却特例を利用した場合などは、資料を確認して判断します。迷う箇所だけの相談も、申告全体のご依頼もできます。作業範囲と費用は着手前にご案内します。
国税庁の公表資料を2026年10月9日に確認。主な根拠:租税特別措置法第41条・第41条の2の2、同法施行令第26条、同法施行規則第18条の21、所得税法第120条・第122条等。適用要件・提出書類は入居年、住宅区分、申告内容によって異なります。