AIの出力様式は、列名だけでなく、値の意味・空欄・確認待ち・原本への参照まで決めると、次の作業へ渡しやすくなります。 同じ形で出力されたことと、内容が正しいことは別に確認します。
以下の様式と資料番号は、当事務所が作成した架空例です。特定のAIサービスの機能や、すべてのシステムへそのまま取り込める共通仕様を示すものではありません。
1.出力の列と意味を、使う人が決める
「表にまとめて」という指示だけでは、列の名前や順番、確認状態が変わることがあります。確認する人と、後で受け取る人が必要な項目を先に共有します。
| 列の例 | 決めておくこと |
|---|---|
| 資料番号 | 元の識別子を文字列として保持する |
| 原本参照 | ファイル名、ページ、項目など、元へ戻れる情報 |
| 抽出した値 | 元の表記、単位、対象期間を確認する |
| 確認状態 | 原本確認待ち、照会待ち、対象外などの区分 |
| 確認事項 | 不足、相違、判断を戻す相手を記録する |
「確認済み」は、AIの自己評価ではなく、会社が決めた確認工程が終わった状態として扱います。誰が変更できる状態かも決めます。
2.空欄、0、対象外を同じにしない
金額が0と記載されている場合、金額が読めない場合、そもそも金額を扱わない資料は別の状態です。空いているセルを一律に0で埋めると、未確認の情報が確定した値に見えてしまいます。
| 架空の状況 | 残す状態 |
|---|---|
| 原本に値があるが不鮮明 | 値は未確定、原本確認待ち |
| 必要な項目の記載がない | 欠落した項目を示し、照会待ち |
| 今回の対象ではない | 対象外と理由を記録 |
| 担当者が原本との一致を確認 | 確認者と結果を残し、確認済みへ変更 |
空欄を許す列、必ず値が必要な列、確認待ちなら空欄でよい列を分けると、点検しやすくなります。
3.指示例と、期待する出力を組み合わせる
列の順番と、値を補わないルールを示し、通常例と例外の出力見本を用意します。見本に書かれた架空の値を、実資料へ流用しないことも確認します。
出力列を「資料番号、原本参照、抽出した値、単位、確認状態、確認事項」の順にしてください。資料番号の先頭ゼロを残してください。値が不明なときは推測で埋めず、原本確認待ちか照会待ちにしてください。確認済みへは変更せず、対象外の資料も理由を別に残してください。
出力後は、列数・列名・必須項目・識別子・件数・値の型を確認します。形式上の条件に合っていても、原本の数字や内容が違えば採用しません。
4.表計算などへ渡した後も確かめる
例えば資料番号 0007 が 7 へ変わったり、文字列の日付が別の解釈で日付へ変換されたりすると、元資料との対応が崩れる場合があります。AIの出力画面だけでなく、実際に受け取るExcelや業務システムで確かめます。
CSVなどを使う場合は、区切り文字、文字コード、改行、引用符を含む値、先頭ゼロ、空欄を試します。連携先が決まっていない段階で、どのシステムでも取り込めると扱わないことが大切です。
受け渡し後に計算する表では、AIで作ったExcelの検算も合わせて行います。入力データの準備はAI導入前のデータ整備で説明しています。
5.様式の変更を、運用の変更として残す
列の追加、名称の変更、確認状態の区分を変えた場合、過去の出力や後続の表との互換性を確認します。指示文だけを直して終えず、通常例・例外・保存後の再読込まで試します。
様式、指示文、確認項目、適用日、旧版の保管先を一組で管理すると、問題が起きたときに戻す範囲を整理できます。AI導入後の変更管理もご覧ください。
当事務所のAI導入支援の内容と成果物の見本をご案内しています。料金・標準範囲は別の節で確認できます。
よくあるご質問
同じ列で出力されれば、そのまま使ってよいですか?
列がそろったことと、値が正しいことは別です。原本の値、対象件数、識別子、確認待ちの有無を確認します。
空欄をすべて0へ置き換えてよいですか?
未入力、不明、対象外、原本に0とある状態を分けます。必要な情報が未確認のまま、確定した値へ見せないようにします。
資料番号の先頭ゼロは、表示だけ直せばよいですか?
元の識別子を保持しているか、後続の作業へ渡した後も確認します。表示だけが同じでも、照合や再出力で値が変わらないかを試します。
列を一つ追加しただけでも再確認が必要ですか?
後続の表や取込先が列の順番などを使っている場合があります。変更した項目と影響する作業を確認し、通常例と例外で試します。
参考資料
- IPA「セキュリティ担当者のための生成AIセキュリティ」。様式と指示例は当事務所作成です。