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青色申告と白色申告の違い副業・個人事業はどちらを選ぶ?

初めて確定申告をする方や、副業を始めた方は、「青色と白色はどちらがよいか」で迷うことがあります。確認したいのは、受け取っている収入の種類、青色申告の申請状況、帳簿を整えられるかの3点です。選ぶ前に必要な条件と、準備の順番を整理します。

公開:2026年10月1日 / 執筆:公認会計士・税理士 岡田健志

この記事のポイント

青色申告は、対象となる所得・事前の申請・記帳などの要件を満たして利用する制度です。白色申告にも記帳・保存の義務があります。この記事は2026年分(通常、2027年に提出)の申告を中心に説明し、2027年分からの控除の変更は別の節にまとめています。

この記事の内容
  1. 1.副業なら誰でも青色申告にできる?
  2. 2.青色申告と白色申告を比較する
  3. 3.2026年分の65万円・55万円・10万円控除
  4. 4.青色申告の申請期限は「申告する年の前年」に注意
  5. 5.2027年分からは控除の条件が変わります
  6. 6.記帳と資料の準備は、どちらでも必要
  7. 7.自分で進めるか、税理士に依頼するか
  8. よくあるご質問

1.副業なら誰でも青色申告にできる?

青色申告の対象は、事業所得・不動産所得・山林所得です。給与所得や雑所得そのものに、青色申告特別控除を使うことはできません。「会社員の副業だから白色」「フリーランスと名乗れば青色」とは決まりません。

副業先でも給与を受け取る

給与所得として整理します。青色・白色を選んで給与を事業所得に変える仕組みではありません。

業務委託などの報酬を受け取る

事業所得か業務に係る雑所得かを、活動の実態から確認します。事業所得であれば、青色申告の申請や記帳の条件を検討します。

事業所得と業務に係る雑所得の区分は、社会通念上、事業といえるかによって判断します。帳簿書類の作成・保存も確認事項です。開業届を提出したことや、本人が選んだ名称だけで所得区分は決まりません。

まず申告の要否から確認したい方は、会社員の副業は確定申告が必要?をご覧ください。

参考:国税庁 No.2070 青色申告制度 / 国税庁 所得税基本通達35-2(業務に係る雑所得)

2.青色申告と白色申告を比較する

以下は、個人事業の所得税申告を想定した、2026年分の主な違いです。

白色申告

  • 青色申告の承認を受けていない場合の申告。
  • 簡易な方法で記帳できるが、帳簿・資料の保存は必要。
  • 事業所得の申告では、収支内訳書を添付。
  • 青色申告特別控除は使えない。

青色申告

  • 期限内の承認申請と、所定の記帳が必要。
  • 申告書に青色申告決算書を添付。
  • 要件に応じて、所得から最高65万円・55万円・10万円を控除。
  • 純損失の繰越しなど、特別控除以外の制度もある。

青色申告でも簡易な記帳の方法はあります。ただし、控除の要件が異なるため、「青色なら全員65万円」と考えないようにします。純損失の繰越しや家族への給与の取扱いには別の条件があり、赤字や支払いがあれば自動的に使えるわけではありません。

参考:国税庁 No.2070 青色申告制度 / 国税庁 No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度

3.2026年分の65万円・55万円・10万円控除

青色申告特別控除は、税額からそのまま差し引いたり、同額が還付されたりする制度ではありません。所得の計算で差し引くもので、実際の税額への影響は所得や各種控除などによって異なります。

最高55万円

事業所得、または事業的規模の不動産所得があり、原則として複式簿記で記帳。貸借対照表・損益計算書等を添付し、控除額を記載した確定申告書を期限内に提出することなどが条件です。

最高65万円

55万円控除の要件に加え、申告書と貸借対照表・損益計算書等を期限までにe-Taxで送信するか、仕訳帳・総勘定元帳を「優良な電子帳簿」の要件で保存し、必要な届出を行うことが条件です。

最高10万円

上記の55万円・65万円控除に当てはまらない青色申告者について適用される控除です。青色申告の承認や記帳・保存が不要になるわけではありません。

いずれも対象となる所得が上限です。控除によって赤字を作ることはできません。また、現金主義による所得計算の特例を選んでいる場合は、55万円・65万円控除の対象外です。

会計ソフトを使っただけでは、65万円控除は決まりません

帳簿の内容、貸借対照表等の作成、e-Tax送信、提出期限まで確認します。還付申告でも、55万円・65万円控除を受けるには確定申告期限内の提出が必要です。

参考:国税庁 No.2072 青色申告特別控除(2026年分までの要件)

4.青色申告の申請期限は「申告する年の前年」に注意

原則として、青色申告をしたい年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出します。その年の1月16日以後に新たに事業を始めた場合は、原則として開業日から2か月以内です。土日・祝日等に当たるときの期限は翌日へ繰り越されます。相続による事業承継には別の期限があります。

例:2027年に提出する「2026年分」を青色にしたい場合

以前から事業をしている方の通常の申請期限は、2026年3月16日でした(3月15日が日曜日のため)。2027年の申告時期になってから申請して、2026年分へ自由にさかのぼれる制度ではありません。

一方、2026年の途中で開業した方は、開業日からの期限と提出履歴を確認します。すでに青色申告の承認を受けている場合は、毎年新しく申請する手続ではありません。

開業届と青色申告承認申請書は別の書類

開業届だけを出して、青色の申請も済んだと思い込まないことが大切です。申請書の控え、e-Taxの受信通知、適用を受けようとする年分を確認しましょう。

2026年以後の開業届は、原則として開業した年分の所得税の確定申告期限までの提出となっていますが、青色申告の申請期限も同じ日になったわけではありません。

期限を過ぎている場合は、その年の申告方法を確認したうえで、翌年分からの青色申告に向けて申請と帳簿の準備を進めます。承認の有無が分からない場合も、先に提出履歴を確認してください。

参考:国税庁 所得税の青色申告承認申請手続 / 国税庁 個人で事業を始めたとき・法人を設立したとき

5.2027年分からは控除の条件が変わります

2027年分は、通常2028年に確定申告する所得の年分です。2027年に提出する2026年分の申告と混同しないでください。

  • 65万円控除:複式簿記等の要件に加えて、申告書・青色申告決算書を期限内にe-Taxで送信することが必要になります。
  • 最高75万円:65万円控除の要件に加え、優良な電子帳簿の保存、またはデジタルシームレス保存の要件と、必要な届出を満たす場合に適用されます。
  • 書面申告:従来の最高55万円控除はなくなり、控除上限は10万円となります。

また、簡易簿記で記帳する事業者は、前々年分の事業所得または事業的規模の不動産所得に係る収入金額が1,000万円を超える場合、10万円控除の対象外となる変更もあります。

「今のソフトなら自動で75万円」とは限りません。保存方法・運用開始時期・届出を含め、国税庁の改正案内と利用するソフトの対応状況を確認します。翌年から切り替える場合は、年が始まる前に準備する方法を相談しておくと進めやすくなります。

参考:国税庁 2027年分からの75万円の青色申告特別控除(PDF) / 国税庁 2027年分からの簡易簿記・10万円控除の変更(PDF)

6.記帳と資料の準備は、どちらでも必要

白色申告でも、事業所得等を生ずべき業務を行う方には記帳・保存の義務があります。所得税の申告が不要な場合も対象です。売上と経費の合計だけを後から思い出して埋める方法は避けましょう。

  1. 収入を確認:請求書、売上の明細、入金、源泉徴収の明細を対応させる。
  2. 経費を整理:領収書、カード明細、請求書と仕事での用途を確認する。
  3. 残高を確認:口座、現金、売掛金・買掛金、借入金などを帳簿と照合する。
  4. 年末の処理:在庫、固定資産、未収・未払、家事按分などを確認する。

白色の法定帳簿は7年、任意帳簿や領収書等は原則5年の保存が必要です。青色は帳簿・決算関係書類などが原則7年で、書類によって5年のものがあります。電子取引データや消費税関係の保存要件は別途確認します。

準備の入口は個人事業・フリーランスの初めての確定申告、資料がそろわない場合は領収書・帳簿がないときの準備をご覧ください。経費で迷う支出は、衣装・美容・交通費の判断と記録にもまとめています。

参考:国税庁 No.2070 青色申告制度 / 国税庁 No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度 / 国税庁 記帳・帳簿等の保存について

7.自分で進めるか、税理士に依頼するか

制度上の条件を確認したうえで、日々の記帳と申告を自分で進められるかを考えます。次の項目は、ご相談の前に整理しておきたい内容の例です。

自分で準備を進める場合

収入・経費の資料がそろい、口座残高などを確認できることが出発点です。会計ソフトの集計結果を見直し、申告・納付・保存までの時間を確保します。

自分で確定申告する手順を見る →

判断や作業に不安がある場合

事業所得と雑所得の区分、申請履歴、貸借対照表の不一致、資料の不足など、困っている箇所を具体的に整理して相談します。

依頼できる範囲と料金を見る →

税理士へ依頼しても、申請期限や控除の要件が免除されるわけではありません。控除による税額への影響と、記帳にかかる時間・依頼費用を合わせて検討します。

当事務所の確定申告は、白色5万円・青色10万円(税別)が基本料金です。準備された帳簿・集計を前提とし、資料整理や追加の記帳作業は資料と作業量を確認して個別にお見積りします。税込額・基本料金の範囲・加算条件は、確定申告の料金案内でご確認いただけます。

よくあるご質問

副業が少額でも青色申告はできますか?

金額だけでは決まりません。まず事業所得・雑所得・給与所得などの区分を確認します。青色申告の対象となる所得があれば、承認申請の期限や記帳の条件を確認します。

開業届を出せば、自動的に青色申告になりますか?

なりません。開業届と青色申告承認申請書は別の手続です。申請書の控えやe-Taxの受信通知で、提出と対象年分を確認してください。

申告時期になってから、前年分を青色に変更できますか?

その年分の青色申告の承認を受けているかが先に必要です。未申請のまま申請期限を過ぎた場合、申告時に希望するだけで前年分へ自由にさかのぼることはできません。

2027年に申告すれば、75万円控除を使えますか?

2027年に通常提出する2026年分には、2026年分の要件を使います。最高75万円控除は2027年分からで、通常2028年に提出する申告の対象です。e-Taxや帳簿等の保存・届出などの要件があります。

収入と資料の状況から、ご相談ください

大阪市福島区の岡田健志公認会計士・税理士事務所では、個人事業・副業などの確定申告について、税理士本人が対応します。資料の整理状況や対象年を伺い、ご依頼の範囲と料金を事前にご案内します。初回相談は無料です。

根拠・参考資料

主な根拠:所得税法143条・144条・148条・232条、所得税基本通達35-2、租税特別措置法25条の2。2027年分以降の変更は国税庁の上記改正案内を参照。2026年10月1日に確認した公表資料に基づく一般的な説明です。適用する制度・控除・期限は対象年や個別事情により異なります。

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