AI・RPA・Excelのどれか一つで業務全体を置き換えるのではなく、工程ごとに合う方法を選びます。 既に会計ソフトの取込み機能やExcelの式でできる仕事なら、それを使う方が確認しやすい場合もあります。
この記事では、特定製品の購入や契約を勧めるのではなく、経理・総務の仕事を「整理する」「操作する」「計算・照合する」に分けて考えます。製品ごとの利用条件・対応環境・料金は、導入時に公式情報で確認します。
1.違いは、製品名より任せる工程で考える
次の表は、役割を考えるための当事務所の整理です。現在の製品には複数の機能を組み合わせたものもあり、AIとRPAが完全に分かれるわけではありません。
| 方法 | 任せる候補の例 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 生成AI | 文面の下書き、項目名の対応付け、不揃いな資料の整理候補 | 原本との一致、不明点の扱い、出力の変動 |
| RPA・定型操作の自動化 | 決まった手順でファイルや画面を操作する | 画面や手順の変更、停止時の対応、権限 |
| Excel・既存ソフトの機能 | 決まった式での集計、データ取込み、条件に基づく照合 | 式・設定、対象範囲、入力データの品質 |
| 手順・様式の見直し | 入力列や保存先を統一し、二重入力を減らす | 現場が続けられるか、例外をどう受けるか |
MicrosoftはPower Automateのデスクトップフローを、繰り返すルールベースの作業を自動化する機能として説明しています。IPAのAI活用例には文書作成・確認などがあります。自社では、どの部分にその機能を使うかを具体的に決めます。
2.請求書一覧では、読み取り・確認・登録を分ける
架空の請求書一覧作成を考えます。資料から必要項目を整理する工程、件数・合計や内容を確認する工程、会計へ登録する工程では、確認する条件が異なります。
| 工程 | 検討する方法 | 人が確認すること |
|---|---|---|
| 項目を一覧にする | 読取機能やAIで整理し、不明点を残す | 元資料との一致、未記載・読取不明の区別 |
| 一覧を照合する | 表の式や既存機能で件数・合計を比べる | 対象期間、重複、取引内容、差の理由 |
| 会計へ登録する | 既存ソフトの取込み・連携を先に確認する | 科目等の判断、必要な承認、登録後の結果 |
AIで情報を整理できても、登録や支払まで正しく完了することを意味しません。自動化を広げる場合は、各工程の確認・承認と停止条件を別に定めます。
3.月次集計は、入力の違いと計算を分ける
営業所ごとに列名や様式が違う場合、AIを列の対応付けや確認候補の整理に使い、集計はExcelの式で行う構成が考えられます。毎回同じ列・形式なら、既存の取込み設定や集計機能で足りるかを先に確認します。
一方、必要な項目が欠けていたり、対象月が違ったりする問題は、計算方法を変えても解消しません。入力様式や提出方法の整備が先になる場合があります。Excel転記・月次集計の実演では、架空のデータを使って原本へ戻る検算まで示しています。
4.止まったときに、誰が直せるかを比べる
新しい仕組みの導入時は、動くときの速さだけでなく、変更や停止時の対応を確認します。技術が違っても、運用を続けるために必要な確認はあります。
| 起こり得る変更 | 確認すること |
|---|---|
| 入力様式が変わる | 対応する列や対象資料を、誰が修正するか |
| 画面や操作順が変わる | 自動操作を止め、手作業へ戻せるか |
| 出力の内容が変わる | 通常と例外のケースを確認し直せるか |
| 担当者が交代する | アカウント、設定、手順、保存先を引き継げるか |
初期費用に加え、利用料、社内の確認時間、保守・見直しの負担も比べます。削減時間がそのまま支出減になるとは限らない点は、AI導入の費用対効果をご覧ください。
5.既存機能の確認から、一つの工程を試す
業務の流れを棚卸し表に書き、入力元・完成形・確認方法を決めます。そのうえで、手順をそろえるだけで改善するか、既存機能で足りるか、AIや定型操作の自動化を加えるかを考えます。
新しく組み合わせる場合も、最初は少量の資料で通常と例外を試します。すべてを自動で続けて実行させる構成にする前に、途中の結果を確認できる状態を作ります。
当事務所のAI導入支援の料金・標準範囲と、確認票・業務フロー・手順書の見本をご覧いただき、現在の環境でどの工程から進めるかをご相談ください。製品や連携方式は、必要な機能と環境を確認したうえで検討します。
よくあるご質問
RPAを使っていればAIは不要ですか?
業務によります。決まった操作を自動化できていても、不揃いな文章や資料の整理を別の方法で補う場合があります。既存の仕組みで足りている工程を確認してから判断します。
AIなら計算や照合もすべて任せられますか?
答えだけに頼らず、式・元データ・件数・合計を追える方法を残します。決まった計算は既存ソフトや表の式を使う構成も検討します。
新しいソフトを購入する必要がありますか?
必ずしも必要ありません。現在利用しているソフトの取込み・集計機能や、入力様式の見直しで対応できるかを先に確かめます。
複数の方法を組み合わせても管理できますか?
各工程の入力・出力・確認者・停止条件を明確にし、設定と手順を引き継げる形にします。組み合わせる範囲が広いほど、変更時に確かめる工程も増えることを見込みます。