税務・確定申告
医療費控除をスマホで申告する手順|領収書の入力からe-Tax送信まで
※この記事は2025年分の国税庁「確定申告書等作成コーナー」のスマホ向け案内を参考にしています。2026年分の画面や操作方法は、公表後に確認して更新します。画面に表示される名称や順番は、年分や入力内容によって異なることがあります。
「医療費控除を受けたいけれど、スマホでどこから入力すればよいの?」
医療費控除は、国税庁の確定申告書等作成コーナーを使ってスマホから申告できます。医療費通知をマイナポータル連携で取得する方法のほか、領収書を見ながら入力する方法もあります。
この記事では、資料の準備から入力、送信後の確認まで順番にご案内します。
はじめに:医療費は10万円を超えなければならない?
医療費控除の基準は、すべての人が一律10万円ではありません。その年の総所得金額等が200万円未満の場合は、原則としてその5%が基準です。たとえば総所得金額等が150万円なら、基準は7万5,000円です。
対象となる医療費から保険金などを差し引いた金額が基準を超えるかを確認します。家族の医療費も一定の条件でまとめられます。控除額と還付額は同じではありません。
詳しくは医療費控除は10万円以下でも受けられる?所得200万円未満の計算方法をご覧ください。
入力前に用意するもの
- 申告する年の医療費の領収書、医療費通知など
- 高額療養費や民間保険の給付金など、医療費を補填する金額が分かるもの
- 収入や所得が分かる資料。給与所得がある場合は源泉徴収票など
- マイナンバーカードと、読み取りに対応したスマホ。カード方式のe-Tax送信に必要な暗証番号
- マイナポータル連携を使う場合は、利用に必要なアプリ・事前設定
- 還付を受ける場合は、申告者本人名義の口座情報など
ここでは、通常の医療費控除を選び、スマホとマイナンバーカードを利用してe-Taxで送信する場合を中心に説明します。セルフメディケーション税制は別の制度です。同じ年に通常の医療費控除と両方を受けることはできません。
申告前の整理には、無料の医療費整理ノートを使えます。人・支払先・金額をまとめるためのノートです。このノートのCSVは国税庁の医療費集計フォームとは別形式で、e-Taxへの直接取込用ではありません。 内容を見ながら作成コーナーに入力してください。
手順1:医療費を整理する
まず、申告する年の1月1日から12月31日までに実際に支払った医療費を集めます。自分が支払った、自分と生計を一にする家族の医療費も確認します。
領収書は、医療を受けた人と病院・薬局などの支払先ごとにまとめられます。1枚ずつ入力する必要はありません。
例えば、同じ年に本人が同じ病院へ支払った4,500円と6,500円は、合わせて11,000円として整理できます。薬局への支払いは、病院とは別に整理します。これは架空の例です。
医療費通知やマイナポータルで取得した分と、追加する領収書分は分けておきます。同じ支払いを二重に入力しないためです。
手順2:作成コーナーを開き、申告を始める
- スマホで国税庁の確定申告書等作成コーナーを開きます。
- 画面の案内に沿って作成を開始し、申告する年分と所得税の申告書を選びます。
- 提出方法としてe-Taxを選び、マイナンバーカードの読み取りなど、表示された案内に従って進みます。
- マイナポータル連携を使う場合は、画面の案内に沿って設定・データ取得を行います。利用しない場合も、領収書などを基に入力できます。
- 収入・所得などを入力し、所得控除の入力に進みます。
国税庁が示すスマホ向けの操作案内は、e-Taxの利用方法でも確認できます。途中で中断する場合は、画面の案内に従って保存データをダウンロードし、再開時に読み込みます。
手順3:「医療費控除」を選ぶ
所得控除の入力画面で「医療費控除」を選びます。通常の医療費控除とセルフメディケーション税制の選択が表示されたときは、適用を受ける制度を確認してください。
以下の画面名・ボタン名は、2025年分の国税庁のスマホ向け入力案内に基づくものです。2026年分の画面は公表後に確認します。
手順4:医療費通知を確認し、不足分を入力する
マイナポータル連携で取得した場合
取得された医療費通知の内容を確認します。通知情報には、すべての医療費がそろっているとは限りません。自由診療など通知に載らない費用や、反映されていない費用があれば、領収書などを基に追加します。
助成や実際の支払額が通知情報に反映されていない場合もあります。領収書や給付の内容を確認し、画面の案内に沿って修正してください。取得済みの支払いを、領収書からもう一度入力しないようにします。
紙の医療費通知を使う場合
2025年分の案内では「+医療費通知を入力する」から、通知に記載された内容を入力できます。通知に記載のない費用は、別に領収書などから追加します。通知の内容や提出方法によって必要な取扱いが異なりますので、画面の案内を確認してください。
手順5:領収書などから入力する
2025年分のスマホ向け案内では、「医療費の領収書等を基に入力する」を選び、「+医療費の領収書等を入力する」から進みます。次の内容を、画面に沿って入力します。
- 医療を受けた人
- 病院・薬局などの支払先
- 医療費の区分
- 支払った医療費
- その医療費を補填する保険金や給付金など
領収書は人と支払先ごとにまとめて入力できます。保険金などは、それぞれの支払いに対応するものを確認してください。ある医療費について補填額がその支払額を超える場合、超えた部分で別の医療費を減らすことはしません。
通院費など領収書のないものは、日付、行き先、交通機関、金額などを記録し、対象となるか確認します。費用の内容によって扱いが異なります。
国税庁の医療費集計フォームを使う場合
国税庁の医療費集計フォームで作成したデータは、作成コーナーで読み込む方法もあります。国税庁は、フォームの入力・集計にはパソコンでの作業を勧めています。スマホ入力を中心に進める方は、上の「領収書等を基に入力する」方法を使えます。
手順6:控除額と申告書を確認する
医療費の入力後、作成コーナーの計算結果を確認します。医療費控除は所得から差し引く金額であり、その金額がそのまま戻るわけではありません。所得税の納付・還付は、所得、ほかの控除、源泉徴収税額などを含めた申告全体で決まります。
申告書全体では、給与の源泉徴収票などの内容や、ほかに申告する所得・控除も確認します。ふるさと納税のワンストップ特例を申請済みの方も、確定申告をする場合は、寄附金控除を含めて申告内容を確認してください。
手順7:送信し、受付結果と控えを保存する
画面に従って申告書を送信し、送信後の受付結果を確認します。申告書の控えや受付結果は、後で確認できるよう保存しておきましょう。還付申告の場合は、振込先も確認します。
領収書に基づいて明細書を作成した医療費の領収書は、原則として確定申告期限等から5年間保存します。要件を満たす医療費通知を添付する場合などは取扱いが異なります。マイナポータルの画面やPDFを印刷しただけのものは通知データの原本ではないため、保存の要否は提出方法も含めて確認してください。 国税庁:医療費控除に関する手続
よくある質問
医療費が10万円未満でも入力できますか?
総所得金額等が200万円未満であれば、補填金を差し引いた対象医療費がその5%を超えるときに控除を受けられる場合があります。10万円未満だからと一律にあきらめず、所得と支払額を確認してください。
家族の医療費をまとめられますか?
自分が支払った、生計を一にする家族の対象医療費はまとめられます。誰が医療を受け、誰が支払ったかを確認し、同じ費用を複数人が重複して申告しないようにします。
病院の領収書を1枚ずつ入力する必要がありますか?
医療を受けた人と支払先ごとにまとめられます。医療費通知や取得データで入力済みの費用は、重複して追加しないようにしましょう。
医療費控除を入力すれば必ず還付されますか?
必ず還付されるわけではありません。医療費控除は所得控除であり、申告全体の税額や、すでに納めた所得税などによって結果が異なります。
自分で進める・迷う点を相談する・申告を依頼する
まずは医療費整理ノートで資料を整理し、医療費控除の明細書の書き方と合わせてご確認ください。
対象となる費用や補填金の扱いで迷う場合は、確定申告について相談することもできます。申告を依頼する場合は、対応範囲と料金をご確認ください。準備された帳簿・集計を基本とし、資料整理や記帳修正などが必要な場合は、資料と作業量に応じて個別にお見積りします。
確認した主な資料:国税庁 医療費控除、医療費控除の入力方法(2025年分・スマホ)、領収書をまとめて入力する方法、医療費控除に関する手続。