会計・経営 / freee導入ガイド 1
freee導入の初期設定でつまずかないために|開始残高・口座連携で確認すること
freeeを契約して口座を連携すれば、それだけで経理の準備がすべて整うわけではありません。これまでの帳簿から何を引き継ぎ、どこから新しい運用を始めるかを決めておく必要があります。
初期設定では、画面を順番に埋めることより、移行前後の数字と仕事の流れをつなぐことが重要です。この記事では、他社会計ソフトから乗り換える法人を想定し、導入前に確認したい点を整理します。
まず、入力を切り替える日を決める
最初に決めたいのは、旧ソフトでどこまで入力し、freeeでどこから入力するかです。会計年度の設定と、日々の入力を切り替える日は、分けて考えます。
freeeの公式ガイドも、期首・期中の乗り換えと、前期比較の要否によって移行手順を分けています。期中に切り替える場合は、当期の期首残高と切替前までの仕訳を引き継ぐ方法が案内されています。法人向けの乗り換えガイド
例えば、経理担当者は今月からfreeeへ入力していても、税理士側が旧ソフトへ同じ期間の修正を続けていると、どちらが最新なのか分からなくなります。
切替日だけでなく、旧ソフトの入力を確定する担当者、移行後に見つかった修正を反映する場所まで決めておきましょう。
開始残高は、何日時点の数字かをそろえる
開始残高の確認では、「この残高は何日時点か」を明確にします。期首の残高と、切替直前の残高を混ぜないことが基本です。
確認用にそろえたい資料は、残高試算表だけではありません。預金口座ごとの残高、取引先別の売掛金・買掛金、借入金の明細など、合計の中身を確認できる資料も用意します。
合計が合っていても、口座や取引先への割当てが異なれば、その後の残高確認に支障が出ます。まず基準日と集計範囲をそろえ、そのうえで内訳を照合する順番にします。
勘定科目や補助科目は、名称だけで合わせない
旧ソフトの管理区分を、そのまま同じ名前で作ればよいとは限りません。freeeでは、補助科目に代わって口座や取引先・品目などを使う考え方が案内されています。freeeの仕訳移行ガイド
旧ソフトで「普通預金」の補助科目に銀行名を置いていたのか、費用の補助科目に取引先名を置いていたのかでは、移行先で整理したい項目が異なります。
移行前に、元の項目・移行先の項目・判断理由を対応表にします。名称が似ているだけの項目をAIに一括でまとめさせず、分けて管理していた理由を確認します。
なお、CSVで仕訳を取り込むことと、未決済の取引として管理することも区別が必要です。freee公式は、仕訳インポートと取引・口座振替のインポートを別の登録方法として説明しています。移行後にどの管理機能を使うかまで確認してください。取引・口座振替のインポート
口座連携では、過去の帳簿との重複を確認する
銀行やカードの明細を取得する期間と、旧ソフトから移行した仕訳の期間が重なることがあります。同じ支払いを移行仕訳と新しい取引登録の両方で記録すれば、重複になります。
取得した明細があることと、会計上まだ記録されていないことは同じではありません。移行済みの期間と照らし合わせ、必要な処理を判断します。
「古い明細だから」という理由だけで一律に削除・無視するのではなく、どの記録と対応するかを確認します。口座ごとに引継ぎ範囲を残しておくと、担当者が変わっても判断しやすくなります。
自動登録ルールは、少数から確かめる
自動登録ルールは、明細の条件に応じて処理を設定する機能です。freeeでは登録まで自動化する使い方のほか、入力内容を推測させる使い方も案内されています。自動登録ルールの公式ガイド
導入時は、取引内容が安定し、判断根拠を確認できるものから対象にします。同じ支払先でも内容が異なる取引まで、一つのルールにまとめないようにします。
生成AIには、ルールの候補や、条件が重なる箇所の洗い出しを手伝わせることができます。その結果を見て、人が適用範囲を決め、実際の明細で意図どおりになるかを確認します。
最初の月次確認までを、導入の予定に入れる
初期設定が終わった後、実際の経理が一巡したところで確認の時間を設けます。
- 元の帳簿と同じ条件で残高・月次増減を比較できるか
- 売掛金・買掛金の内訳を確認できるか
- 未処理の明細や資料不足が把握できるか
- 自動登録ルールに意図しない処理がないか
- 誰がいつ資料を提出し、誰が確認するか決まっているか
取込みが終わっても、毎月の資料が集まらなければ経理は進みません。初期設定とあわせて、請求書・領収書の提出先や確認期限も整えておきます。
初期設定と運用をまとめて相談したい方へ
freeeの設定項目は、会社の取引や経理体制によって確認すべき点が変わります。当事務所では、現在の帳簿・資料・担当者の状況を確認し、設定から月次運用までの支援範囲をご案内します。
大阪市福島区を拠点に、オンラインでのご相談にも対応しています。初回相談はこちら。
※法人の一般的な導入準備を説明した記事です。実際の設定・登録方法は、会計期間、利用機能、契約プラン、既存データの状態と最新の公式仕様を確認して決定してください。