夜のお仕事と確定申告

夜のお仕事の源泉徴収はどう計算する?ホステス報酬の明細の確認

公開:2026年11月4日 / 執筆:公認会計士・税理士 岡田健志

2026年分のホステス等の報酬についての一般的な解説です。計算例は架空です。

お店の明細に「源泉」「税金」と書かれていても、「支払額の10.21%と合わない」「天引きのどれが税金?」と迷うことがあります。

一定のホステス等への報酬には、支払額から、計算期間の日数に応じた金額を差し引いて源泉徴収税額を計算する方法があります。まずは給与か報酬か、何が税金として引かれたのかを確認しましょう。

1.まず、給与か、対象となる報酬かを確認する

このページの計算例は、バーやキャバレーなどの経営者が支払う、所得税法上のホステス等の報酬・料金に該当する支払いを前提としています。実際に対象となるかは、支払者、仕事の内容、契約と実態を確認します。

お店での呼び方が「報酬」でも、内容が給与に当たる場合は給与としての源泉徴収を確認します。夜のお仕事のすべての支払いに、以下の計算式を当てはめることはできません。ほかの業種・支払者・報酬についても、源泉徴収の対象や方法が異なる場合があります。

明細の基本的な見方は、夜のお仕事の支払明細の見方をご覧ください。

2.対象となるホステス報酬の源泉徴収の考え方

国税庁の案内では、対象となる支払いについて、原則として次のように計算します。

(1回の報酬・料金 − 5,000円 × 報酬の計算期間の日数)× 10.21%

上の式は、同じ月に別途給与の支払いがない場合の基本形です。同じ月に給与も支払われている場合は、差し引く金額の計算に調整があるため、国税庁の案内を確認します。算出した税額の1円未満は切り捨てます。差し引いた残額が生じない場合、上の式からマイナスの源泉徴収税額が生じるわけではありません。

この「計算期間の日数」は、出勤日数やお店の営業日数ではありません。その報酬の金額を計算する基礎となった期間の、初日から末日までの日数です。日払いの場合も、実際の支払いや計算期間を確認し、月全体・出勤日数のどちらかに決めつけないようにしましょう。

3.架空の明細で計算してみる

次は、1か月分をまとめて1回で支払い、同じ月に給与の支払いがない架空の例です。対象となる報酬であることを前提とし、消費税等の取扱いなどは考慮していません。

確認する項目例
報酬の計算期間2026年6月1日〜6月30日
計算期間の日数30日
参考:その月の出勤日数16日
1回の報酬額40万円
日数に応じて差し引く金額5,000円 × 30日 = 15万円
源泉徴収の計算対象40万円 − 15万円 = 25万円
源泉徴収税額25万円 × 10.21% = 2万5,525円

この例では、出勤した16日ではなく、報酬の計算期間の30日を使います。差し引く15万円は源泉徴収税額を計算するための金額であり、本人の必要経費や所得控除をこの額にできる、という意味ではありません。

実際の明細と異なるときは、まず支払額、税金に当たる欄、報酬の計算期間、同月の給与やほかの支払いの有無を確認します。この例だけで、お店の計算が間違っていると決めることはできません。

4.「税金」と、それ以外の天引きを分ける

明細には源泉所得税のほか、送迎費、衣装代、雑費などが記載されることがあります。引かれた金額がすべて源泉所得税になるわけではありません。 税金以外の控除も、項目名だけで必要経費になるかどうかは判断できません。

費用の内容は、夜のお仕事の経費一覧でも確認できます。

確認する項目見るところ
差引前の報酬何の期間の仕事に対する支払額か
源泉所得税明細で税金として示されている金額と計算期間
その他の天引き送迎費・雑費などの内訳、契約と実際の負担
実際の受取額現金や振込で受け取った金額との照合

内訳が分からない場合は、お店に明細や計算期間を確認しましょう。税金と確認できないまま、天引き額のすべてを申告書の源泉徴収税額として記載しないことが大切です。

5.源泉徴収と、年間の確定申告は別に確認

源泉徴収は、支払時に税金を差し引く仕組みです。その年の確定申告が必要か、還付になるか追加で納めるかは、ほかの所得や控除を含む年間の状況によって変わります。天引きされているだけで、申告が不要とも、引かれた税金が全額戻るとも限りません。

天引きされた税金の還付と追加納税では、年間の確認の順番を説明しています。複数のお店から支払いを受けた場合は、お店を掛け持ちした年の収入整理もご覧ください。

よくある質問

手取りに10.21%を掛ければ税金が分かりますか?

手取りだけでは分かりません。対象となる支払いの種類、差引前の報酬、計算期間や同月の給与の有無などを確認します。

日数は出勤した日だけを数えますか?

このページで説明したホステス等の報酬については、実際の出勤日数ではなく、支払金額の計算の基礎となった期間の初日から末日までの日数を確認します。

支払調書が手元になければ申告できませんか?

報酬の支払調書の写しが、必ず本人に交付されるとは限りません。支払明細や契約、受取記録を整理し、金額を確認できない場合は支払先にも尋ねます。推測だけで税額を作らないようにしましょう。

自分で確認する・迷う点を相談する

まずは、明細の「差引前の支払額」「税金」「税金以外」「受取額」と、対象期間を分けてみましょう。税額の計算や所得の区分で迷う方は、夜のお仕事の確定申告・税金相談をご覧ください。自分で申告を進める方の不明点の相談や、申告の依頼についても、対応範囲と料金を事前に確認できます。

確認した主な資料

確認日:2026年11月4日。例は架空です。実際の源泉徴収は支払内容・期間・契約等によって確認が必要です。

この記事の執筆者:岡田 健志|公認会計士・税理士

岡田健志公認会計士・税理士事務所(大阪市福島区)

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