夜のお仕事と確定申告
夜のお仕事の12月分が翌年1月に入金されたら?確定申告の年分を確認する方法
公開:2026年11月6日 / 執筆:公認会計士・税理士 岡田健志
2026年分を念頭に、2026年11月6日時点の公表資料を確認しています。申告画面は利用時に最新案内をご確認ください。
夜のお仕事で12月に働いた分が、翌年1月に振り込まれることがあります。確定申告では、入金日だけで一律に年分を決めず、給与か報酬か、契約や支払日、収入すべき時期を確認します。
この記事は2026年11月6日時点の所得税の公表資料に基づく一般的な説明です。所得区分や取引の内容、契約・慣習によって取扱いは異なります。
最初に、給与か報酬かを確かめる
お店との契約、働き方、支払明細、給与所得の源泉徴収票や報酬の支払調書を確認します。「給料」「報酬」という呼び名や、書類の名前だけで所得区分が決まるわけではありません。契約と実態に照らして確認します。
昼の勤務先と夜のお店で所得の種類が異なる場合は、それぞれの資料を分けて整理します。判断に迷うときは、契約書や明細をそろえて税務署や税理士に相談しましょう。
給与なら、原則として決められた支給日を確認
一般の給与は、契約や慣習などで支給日が定められている場合、原則としてその支給日が収入すべき時期です。支給日が定められていない場合は、原則として実際に支給を受けた日を確認します(所得税基本通達36-9)。
たとえば、2026年12月の勤務に対する給与の支給日が2027年1月と定められている場合は、原則として2027年分の給与です。勤務した月だけを見て2026年分と決めないようにします。
定められた支給日に払われず、実際の受取日が翌年になった場合は事情が異なります。源泉徴収票の年分や未払の記載を確認し、年分を自己判断で入れ替えないようにしましょう。
事業所得の報酬なら、入金前でも収入になる場合がある
事業所得の総収入金額は、原則としてその年に収入すべき権利が確定した金額で確認します。年末までに実際の入金がなくても、その年の収入に含まれる場合があります。
人的役務の提供による報酬は、原則として役務の提供を完了した日を確認します。期間の経過や役務の提供の程度に応じて収入する特約や慣習がある場合は、その特約・慣習により収入すべき事由が生じた日を確認します(所得税基本通達36-8)。
たとえば、事業所得に当たり、2026年12月に役務の提供が完了し、年内に収入すべき事由が生じた報酬は、入金が2027年1月でも2026年分の収入となり得ます。実際の年分は契約や取引の実態を確認してください。業務に係る雑所得の場合も、所得区分や収入すべき時期について、資料を基に確認します。
なお、一定の要件を満たす小規模事業者等が現金主義を選択している場合は、入金を基準とする取扱いがあります。誰でも自由に選べるわけではないため、適用要件・必要な手続き・対象所得を確認してください。
12月と1月の資料を並べ、二重計上を防ぐ
| 確認する資料 | 見るところ |
|---|---|
| 契約書・お店との取決め | 給与か報酬かを判断する材料、締日・支給日、報酬が生じる条件 |
| 12月・1月の支払明細 | 対象期間、差引前の金額、源泉徴収税額、天引き、手取り |
| 通帳・現金受取の記録 | 実際の入金日と金額。分割払いなら各回の記録 |
| 源泉徴収票・支払調書 | 対象年と記載額、未払・未徴収の記載の有無 |
| 前年と翌年の帳簿・申告控え | 同じ報酬を両方の年に入れていないか、抜けていないか |
年末に未収の報酬をその年の収入に含めた場合、翌年の入金時に同じ報酬をもう一度収入として集計しないよう、対応関係を残します。翌年に受け取った明細も、どの年のどの報酬に対応するか分かるように保管しましょう。
源泉徴収税額は、収入と実際の徴収状況を照合する
支払調書の合計額や振込額だけで申告額を決めず、対象年の収入と対応する明細、源泉徴収の有無、未払・未徴収の記載を確認します。報酬については、支払者が支払時に源泉徴収する仕組みがあるため、年末時点の収入計上と徴収の時期がずれる場合があります。
給与の未払分に係る源泉徴収税額が未納付の場合、還付の取扱いに注意が必要です。翌年に支払い・徴収された後の手続きも含め、国税庁の未納付の源泉徴収税額に対する還付手続を確認してください。報酬を含め、申告時の入力や未徴収分の取扱いが分からないときは、対象年の資料を持って税務署や税理士に確認しましょう。
自分で整理し、迷う点だけ相談することもできます
支払明細の見方と自分で確定申告を進める手順を使って、まず資料を整理できます。すでに提出した年分に間違いがあると気づいた場合は、訂正・修正申告・更正の請求の確認もご覧ください。
自分で進めながら年分の判定だけ相談したい場合も、申告書の作成等を依頼したい場合も、夜のお仕事の確定申告・税金相談でご案内しています。対応範囲と料金は事前に確認できます。
給与か報酬か分からないときは、契約と働き方を確認する方法もご覧ください。