税務・確定申告

税務調査でfreeeの帳簿データを求められたら?提出前に確認すること

公開:2026年11月4日 / 執筆:公認会計士・税理士 岡田健志

2026年11月4日確認時点の公式案内に基づく解説です。

税務署から「税務調査に先立って、会計データを提出してほしい」と連絡を受けたとき、freeeの何を出せばよいのか迷うことがあります。

最初にするのは、freeeのデータをすべて出力することではありません。依頼された帳簿の種類・対象期間・提出期限・形式・受渡し方法を確認し、顧問税理士がいる場合は依頼内容を共有します。

国税庁は、実地調査前に帳簿等データの提出を依頼する取組を案内しています。実地調査を予定する場合、依頼は原則として事前通知後ですが、日程調整に時間を要する場合など、事前通知前に依頼することもあるとしています。依頼の位置付けや留意点は、税務調査前の帳簿データ提出依頼でも解説しています。

1.税務署の依頼内容をメモする

連絡を受けた際は、分かる範囲で次の事項を整理します。

項目確認すること
担当者税務署名、担当者名、連絡先
調査の段階調査通知・事前通知をいつ受け、実地調査がいつ予定されているか
対象税目・対象期間、依頼された帳簿やデータの種類
提出方法期限、ファイル形式、受渡し方法と担当者の確認先
データの取扱い国税当局による電子データの管理等についての説明

帳簿の範囲や形式が分からない場合は、そのまま判断せず担当者に確認します。顧問税理士がいる場合は、税務署からの連絡を共有し、提出内容や確認事項を相談します。

2.freeeで、対象事業所・年度・帳簿を確認する

出力の前に、対象事業所と会計年度が、税務署から確認した範囲と合っているか確かめます。依頼が複数の年度に及ぶ場合は、年度ごとに対象を整理します。

freee会計では、仕訳帳や総勘定元帳を画面で確認し、それぞれの形式で出力できます。仕訳帳は[会計帳簿]→[仕訳帳]から確認し、必要に応じて検索条件や表示状態を確かめます。メニューや利用可能な機能は、環境や更新時期により異なる場合があります。

出力の前には、特に次を確認します。

  • 対象事業所と会計期間が正しいか
  • 税務署が求めた帳簿の種類に合っているか
  • 日付・勘定科目・タグなど、意図しない絞込みが残っていないか
  • 仕訳承認を使っている場合、承認状態の表示条件を確認したか
  • 対象年度を変えて出力するとき、各ファイルの範囲を確認したか

絞り込んだ状態で出力すると、その条件に合う仕訳のみが出力されます。 対象範囲の確認に使う絞込みと、意図せず残っていた絞込みを区別しましょう。

3.形式と出力結果を照合する

仕訳帳や総勘定元帳にはCSVやPDFなどの出力方法があります。どの帳簿を、どの期間・形式で受け渡すかは、依頼内容を踏まえて担当者に確認します。「freeeで出せる形式」と「依頼された形式」が同じとは限りません。

出力後は、ファイルを開き、対象期間、科目や絞込み、文字化け、必要な項目が含まれているかを確認します。件数が比較できる場合は画面表示との整合も確かめます。取引先名などの情報が含まれるため、確認したファイルの保管先・アクセス権限も社内ルールに従って管理します。

出力した帳簿データと、請求書・領収書等の証憑は同じものではありません。帳簿に添付された資料がすべて出力ファイルに入ると決めつけず、証憑の依頼がある場合は種類と受渡し方法を別に確認します。

4.受渡し方法を確認し、提出した内容を残す

提出する前に、税務署側の担当者と、予定されたオンラインツールや媒体など、具体的な受渡し方法を確認します。メールで機密データを送ることや、会計ソフトのアカウント情報を共有することを、当然の前提にはしないでください。

社内では、次のような提出記録を残します。

項目記録の例
何を提出したか帳簿名、ファイル名、対象年度・期間
いつ・誰に提出日、受取担当者
どの方法か担当者と確認した受渡し方法
何を確認したか出力範囲、承認状態、保管した控え

提出後にファイルの不足や差異が分かった場合は、独自に上書き・再送せず、担当者と対応方法を確認し、追加提出したものも記録します。

よくある質問

freeeの全データをまとめて渡す必要がありますか?

一律に全データを渡すと決めず、依頼対象の税目・期間・帳簿・形式を確認します。必要な範囲や不明点については、税務署の担当者や顧問税理士に確認してください。

出力したCSVには請求書などの画像も含まれますか?

仕訳帳のデータと、添付された請求書・領収書等は区別して確認します。証憑が求められている場合は、必要な資料と受渡し方法を確認してください。

顧問税理士がいない場合はどうすればよいですか?

依頼内容、期限、対象期間と帳簿を分かる範囲で整理し、税務調査対応について相談することができます。期限が示されているときは放置せず、担当者にも連絡してください。

税務調査の連絡を受けた方へ

当事務所では、税務調査前の資料確認や、税務署からの依頼への対応についてご相談を承っています。対象税目・期間、依頼内容、提出期限、顧問税理士の有無を分かる範囲でお知らせください。対応する業務範囲と料金は着手前にご案内します。

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参考資料

確認日:2026年11月4日。法律上の扱いは個別の依頼内容・事実関係により異なります。

この記事の執筆者:岡田 健志|公認会計士・税理士

岡田健志公認会計士・税理士事務所(大阪市福島区)

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