借入返済と資金予定

借入金の返済予定表はどこを見る?元金・利息と資金繰りの確認順

公開:2026年10月21日 / 執筆:岡田健志(公認会計士・税理士)

決算書の借入金残高と、毎月口座から引き落とされる返済額は同じではありません。返済額には元金と利息が含まれ、元金は借入残高を減らす一方、利息は費用として扱います。日本政策金融公庫の事業資金向け返済シミュレーションも、返済額を元金と利息に分けて示しています。日本政策金融公庫「返済シミュレーション(事業資金用)」

借入れが複数ある会社では、各金融機関の返済予定表を一枚にまとめ、いつ、どの口座から、いくら出るかを確認すると資金の不足を見つけやすくなります。

返済予定表から、五つの項目を拾う

契約書と最新の返済予定表で、借入先・契約番号、返済日、返済元金、利息、返済後の元金残高を確認します。引落口座も併記します。新規借入れ、繰上返済、返済条件の変更、金利の見直しがあれば、古い予定表のままにしないでください。

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確認項目なぜ必要か
返済日・引落口座月末残高が足りても、月中の引落日に不足することがある
返済元金借入金残高と資金支出の両方に影響する
利息資金支出と損益の両方に影響する。計上月と支払日は別に確認する
返済後残高帳簿の借入金残高と照合する
条件変更・最終返済据置期間の終了や最終回の大きな返済を見落とさない

架空の2本の借入れを一枚にする

次は架空の会社の2026年10月の予定です。月初に新規借入れ・繰上返済はなく、表の元金・利息は各返済予定表に記載された金額という前提です。

単位:万円

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借入れ返済日月初元金残高返済元金利息引落額返済後元金残高
A2026/10/251,200405451,160
B2026/10/2760020323580
合計1,800608681,740

元金残高は1,800-60=1,740万円に減ります。一方、口座から出るお金は元金60万円と利息8万円の合計68万円です。預金明細には引落額がまとまって表示される場合があるため、返済予定表と照合して元金・利息を区分します。

月初の現預金が100万円、10月の入金予定が180万円、返済以外の支払予定が190万円なら、月末の予定残高は100+180-190-68=22万円です。ただし、月末だけでなく10月25日・27日の前後の入出金も日付順に並べ、引落時点で足りるか確認します。この例は口座間の振替や税金、設備代金などの追加支払はないものとします。

帳簿と預金の両方へつなぐ

月次の帳簿では、前月末の借入金残高に新規借入れを足し、返済元金を引いて当月末残高を確かめます。例では新規借入れがないため、月初1,800万円と月末1,740万円の差60万円が返済元金と一致します。利息8万円を元金に含めて借入残高を減らさないようにします。

資金繰り表には、元金と利息の支払日・金額を予定として入れます。日本政策金融公庫の資金繰り表記入例も、借入金の支払予定額を返済予定表等から月次で記入するよう案内しています。日本政策金融公庫「資金繰り表(記入例)」

利益が出ているのに預金が減る理由として、借入元金の返済は重要です。黒字なのに現金がない理由では、利益から現預金増減へのつながりをまとめています。

返済負担が増える月を先に見つける

元金据置期間が終わる月、金利の見直し月、賞与や税金の支払月、設備代金の支払月が重なると、通常月と違う資金残高になります。少なくとも近い数か月の予定を並べ、回収が遅れた場合も確認します。売掛金の年齢分析

返済計画の見直しを金融機関へ相談する必要がある場合は、遅れてから資料を集めるのではなく、試算表、直近の入出金予定、借入れごとの残高・返済日を早めに整理します。条件変更の可否や内容は契約・金融機関の判断によります。

よくある質問

毎月の引落額をそのまま費用にしてよいですか?

いいえ。引落額には元金が含まれます。元金は借入残高を減らす取引であり、利息と分けて帳簿を確認します。利息の費用計上時期と支払時期が異なる場合は、会計処理も確認してください。

返済予定表と実際の引落額が違う場合は?

最新の返済予定表、金利変更通知、手数料、繰上返済・条件変更の有無を確認し、銀行明細と照合します。差額の理由が分かるまで、元金や利息を推測で修正しないでください。

決算書の短期借入金と長期借入金を足せば返済表と合いますか?

対象の契約と基準日をそろえれば、元金残高の照合材料になります。ただし、1年内返済予定分の表示や、役員・関係者からの借入れなど、決算書の表示・内訳を確認する必要があります。

返済日から逆算して資金を確認する

返済予定表は、決算書の残高を合わせる資料であると同時に、次の引落日に口座が足りるかを確かめる資料です。借入れ別の予定と資金繰り表をつなぎ、入金が遅れた場合も確認します。

岡田健志公認会計士・税理士事務所では、借入金の返済予定表と試算表の照合、月次の資金予定の整理を支援します。ご相談の際は、借入先と契約本数、最新の返済予定表、現在の資金繰り表の有無をお知らせください。対応範囲と料金は着手前にご案内します。

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執筆:岡田健志(公認会計士・税理士)。資料確認日:2026年10月20日。表の返済額・預金額は架空例です。実際の返済額と条件は契約書・最新の返済予定表・金融機関の通知で確認します。

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